先見の明に優れた老舗の万人に愛されるタイムレスなロングセラー
大正4年(1915年)創業、こちらも老舗の兼六園本舗 高砂屋。銘菓「加賀の巻絹」が有名ですね。
優しい味わいの甘味噌風味の白餡を驚くほど柔らかな自家製羽二重餅で包んだ餅菓子で、能楽の曲目「巻絹」に因んで加賀絹を模して作られた、これぞ和菓子の真骨頂とも言うべき逸品ですが、今回取り上げるのは3種類のフレーバーから成るカステラ「加賀野」。
しっとりしたカステラ生地に栗、抹茶&丹波大納言、ココア&クルミを合わせた「加賀野」は和菓子というよりほぼ洋菓子といった仕上がりで、近年の人気商品です。
実は高砂屋は前述の高木屋に輪をかけて早くから和菓子に洋の素材やテイストを取り入れてきた、言わばネオ和菓子の先駆者。40年も前に誕生した大納言小豆の粒餡を混ぜ込んだ浮島生地にチョコレートを挟み込んだ「幸のうた」は時を超えて愛されているベストセラーです。
■兼六園本舗 高砂屋(価格は総て税込です)
加賀野(栗・ココア・抹茶)/1個151円、3個セット453円
取り扱い店舗/本店、金沢百番街あんと、香林坊大和
実力店が繰りだす、和洋が溶け合う優しい味わいの絶品ネオ和菓子
昭和21年(1946年)創業の金沢では比較的新しい部類に入る和菓子店ながら、金沢の風土や伝統を重んじ、細やかな職人技が光る上質で薫り高い和菓子を作り続けている板屋。
刻んだ栗を練り込んだカステラ生地の間に大きくカットした栗を挟んだ「香林」が代表銘菓であることからわかるように、板屋もまた独創的な和菓子を次々と生みだすネオ和菓子の宝庫。
金沢の四季を表現した「金沢風情(春:桜餡の焼き菓子、夏:コンデンスミルク入りの求肥、秋:栗入りカップケーキ、冬:かぼちゃ餡の焼き菓子)」、抹茶ではなくずんだ餡をパイ生地で包んで焼き上げた「緑萌ゆ」など、和洋が絶妙にマッチした和菓子がズラリと揃っています。
地元酪農家から仕入れる搾りたての生乳を使ったミルク餡をチョコレートでコーティングした和トリュフの「恋するちよこ」も可愛らしい見た目やパッケージと相俟ってお土産として大人気です。
■板屋(価格は総て税込です)
金沢風情/1箱(4種類セット)626円
緑萌ゆ/1個162円、8個入1,458円、10個入1,814円
香林/1本918円、2本入2,030円、3本入2,970円、4本入3,942円、5本入4,914円
恋するちよこ/3個入420円、6個入840円
取り扱い店舗/本店、金沢百番街あんと、めいてつエムザ