PC-8を始めたきっかけ
ガイド:ハゼモトキヨシさん、はじめまして。今回は、ハゼモトさんのソロユニット、Sigh Societyの新譜『Swell EP』のリリース記念という形でお話しを伺う機会をいただきましたが、まずはハゼモトさんの活動歴について伺わせてください。最初は、PC-8というユニットで90年代初頭からトミザワナカさんと活動を始められたんですよね? これはどんなきっかけで?
ハゼモト:
はじめまして。当時、一番影響を受けたのはマンチェスタームーヴメントでした。80年代はクリエイションやファクトリー等に所属してたアーティストが好きだったので、プライマル・スクリームやハッピー・マンデーズ等を聴いて自然に色んなダンスミュージックに傾倒していった感じです。そしてその手法に強く心を揺さぶられて、とにかく何か作ろうと思いました。
PC-8は、元々ナカくんとはギターバンドをやろうとしてたりした時期もあったり近所に住んでたりで友達だったんですが、自分が1人で打ち込みやサンプリングを中心にした音楽を作ってるのを見てナカくんが参加してきた流れだったと思います。
DANCE 2 NOISE
ガイド:PC-8の「Planet!!」は、『DANCE 2 NOISE 001』に収録されています。実は、1991年から1993年にかけてコンピレーションとしてリリースされた『DANCE 2 NOISE』のシリーズは、全部持っています。ひとつのジャンルというよりも、次の時代に向けたかなり広義なダンスミュージックを集めた印象があります。PC-8はどういう流れでここに入ることになったのでしょうか?
DANCE 2 NOISE 001 (amazon.co.jp)
ハゼモト:
確か、元Cutemenのピコリンに誘われたんだと思います。細かい経緯はあまり覚えてないのですが、彼の行っていたE-Forceというイベントがあって、そこでよくライヴをやってました。そんな中、ある時突然誘われた感じです。
ガイド:
日本においてクラブカルチャーが始まったテクノ黎明期に活動されていたわけですが、実際の活動拠点とか他にもレギュラーイベントとかはあったのですか?
E-Force以外ではVoice Project(DJ BABY-TOKIO)のイベントに出る事が多かったです。まだクラブ自体が少なかったので色んな所に出てたと思うのですが、下北沢にあったZOO(その後のSLITS)や川崎クラブチッタ等はVoiceのイベントがよくあったので定期的に出てたと思います。
Transonicから発掘音源リリース
ガイド:PC-8としての活動は短かったですが、2011年にTransonicから当時の音源を集めたアルバム『Macrocosm』がリリースされています。このシーンのキーパーソンでもあるTrigger~Transonic Recordsを主宰した永田一直さんとは、当時から近い関係にあったのでしょうか?
Macrocosm (amazon.co.jp)
ハゼモト:
とても近い所にいたのですが、当時は何故か自分がVoice専属に近いような感じがあって、あまり他のイベントに出ないでほしいと言われたりしていました。でも周りの友達はたくさんTriggerのイベントでライヴやってたので、本当に近くて少しだけ距離があるような感じでした。実際に近い関係になったのは、Transonicになってからだったと思います。イベントに出してもらったり、CDを出してもらったりみたいな。
2011年の『Macrocosm』は、永田さんが「当時の音源が盤として残ってないのはおかしい」と言ってくれて出す事になりました。最初お話をいただいた時はあまりピンと来てなかったんですが、結果的にまた何度もPC-8でライヴをやる事になったり、長い間やってなかったソロ活動の続きをやっていく気持ちにさせてくれたりと、今となってはとても意味のある出来事だったんだなと思います。