ノルマンディーから南仏まで ツアーでたどる印象派の軌跡

ジヴェルニーのモネの庭

美しい花が咲き乱れるジヴェルニーのモネの庭


19世紀後半、それまで主流であった宗教画や、神話、歴史を題材とした絵画から一転、戸外の風景や人々の日常をとらえ、美術界に新風を吹き込んだ印象派。最初こそは受け入れられなかったものの次第に賛同者の輪が広がり、活動の場も北へ南へと拡大しました。印象派の数々の作品は、美術史に大きな変化をもたらし、今もなお人々に愛されて続けています。

教科書や画集で目にした作品を実際に鑑賞する喜びは、作品のモデルとなった風景を探し、画家の愛し、親しんだ土地を巡ることでより深い感慨を呼び起こします。印象派ゆかりの地を巡るツアーは、数も種類も多いので、上手に組み合わせてオリジナルの旅程を作ってみましょう。美術館のチケットがついているツアーもあり、現地を訪れた前後で、作品の印象がどう変わってくるかを見るのも面白いかもしれません。

印象派ゆかりの地を訪ねるおすすめオプショナルツアー

モネ、ルノワール、ゴッホ……日本人にもなじみの深い、印象派・ポスト印象派の発祥の地でもあり、中心地となったのは、フランスでした。偉大な画家たちの足跡を訪ね、100年以上変わらない風景を目にして当時に思いを馳せる、そんなテーマのある旅に出かけませんか?

■旅のスタートはパリから ホンモノに出会う感動
オルセー美術館

オルセー美術館 印象派の名画がずらりと並びます

印象派の作品は世界各地の美術館に所蔵されていますが、パリには、重要なコレクションを誇る美術館がいくつもあります。まず訪れたいのは、セーヌ川沿いにあり、昔の駅舎を改装して建てられたオルセー美術館。印象派誕生までの道のりからポスト印象派まで、展示された作品を通して、印象派の歴史を追うことができます。そのほかにも、モネの連作『睡蓮』専用に作られた部屋が見どころのオランジュリー美術館、印象派の名前の由来となった、同じくモネの『印象・日の出』が展示されている、マルモッタン美術館も必見です。


■ジヴェルニーとオーヴェル・シュル・オワーズ 偉大な画家の集大成

オーヴェル・シュル・オワーズの教会

ゴッホの晩年の名作 オーヴェル・シュル・オワーズの教会

パリを出て、印象派、ポスト印象派を代表する二人の巨匠のゆかりの地へ。美しい庭で有名なジヴェルニーのモネの家は、花の咲くシーズンを通して、多くの観光客で賑わいます。モネ自身が手をかけて作り上げた庭には、作品のモチーフとなった睡蓮の池や太鼓橋などが残っています。また、パリからジヴェルニーに行く途中にあるオーヴェル・シュル・オワーズは、ゴッホが最期を迎えた村。死の直前に描いた傑作のモデルとなった教会や町役場が残る他、村の中心にあるオーヴェル・シュル・オワーズ城では、マルチメディアショーにて、印象派の軌跡をたどることができます。


■ノルマンディー 印象派の原点へ

ノルマンディーの断崖の絶景

エトルタ モネも魅せられたノルマンディーの断崖の絶景

ジヴェルニー以外にも、ノルマンディーには、印象派ゆかりの街や風景が点在しています。ジャンヌ・ダルクが処刑されたことでも有名なルーアンでは、モネが時間や天候によって色合いが変わる大聖堂の姿をキャンバスにおさめています。港町ル・アーヴルは前項でも触れた『印象・日の出』が描かれた場所であり、印象派の原点となっています。そのほか、印象派の先駆者ともいえるブーダンが活躍したオンフルールなど、ノルマンディーと印象派はお互いなくしては語れない強い関係にあると言えるでしょう。


■南仏 画家たちの愛した風景
サント・ヴィクトワール山

セザンヌが描いたサント・ヴィクトワール山を一望

柔らかなタッチを特徴とし、愛らしい少女たちをモデルにした絵を数多く残したルノワール。彼が晩年を過ごした、ニース近郊の鷲の巣村の一つ、カーニュ・シュル・メールには、自宅兼アトリエが残り、内部を見学することができます。また、ローマ遺跡が多く残る街アルルでは、ゴッホが有名な『夜のカフェ・テラス』や『アルルの跳ね橋』などの傑作を描き、同時代に活躍したポスト印象派の一人、セザンヌは生まれ故郷エクス・アン・プロヴァンスを制作拠点とし、ライフワークである『サント・ヴィクトワール山』の一連の作品を残しています。

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