平成26年度マンション管理士試験に挑戦!
【問 題】AがBに中古住宅である甲マンションの101号室を売却した場合におけるAの瑕疵担保責任に関する記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
1.AとBとの売買契約において、隠れた瑕疵につき瑕疵担保責任を負う期間を引渡の日から1年間とした場合、Aが宅地建物取引業者であり、Bが宅地建物取引業者でないときは、Aは、引渡の日から2年間は瑕疵担保責任を免れない。
2.AとBとの売買契約において、隠れた瑕疵につき瑕疵担保責任を負う期間を引渡の日から6ヶ月間とした場合、Aが宅地建物取引業者でなく、Bが宅地建物取引業者であるときは、Aは、引渡の日から6ヶ月を経過した時に瑕疵担保責任を免れる。
3.AとBとの売買契約において、住宅の構造耐力上主要な部分の隠れた瑕疵についてのみ瑕疵担保責任を負うとした場合、A及びBが宅地建物取引業者であるときは、Aは、住宅の構造耐力上主要な部分の隠れた瑕疵以外の瑕疵についても瑕疵担保責任を免れない。
4.AとBとの売買契約において、隠れた瑕疵につき解除および損害賠償請求に加え、あるいはこれに代えて疵修補請求ができるものとした場合、Aが宅地建物取引業者であり、Bが宅地建物取引業者でないときは、Bは、瑕疵修補請求をすることができない。
【解説・解答】
1. 誤り。売主が宅地建物取引業者の場合には、民法の規定よりも買主にとって不利な特約は、無効となります。買主にとって不利にならない特約を判断する条件が、「引渡の日から2年以上」という宅建業法上の規定です。設問の特約はこれに満たない条件なので、売主は民法の規定通りの責任を負うことになります。
2. 正しい。売主・買主双方の合意があれば、瑕疵担保責任を民法の規定(瑕疵の存在を知ってから1年以内)を特約によって変更することは可能です。しかもこの場合、売主が宅地建物取引業者でないため、宅建業法上の制約もなく設問の特約は有効です。
3. 誤り。売主・買主ともに宅地建物取引業者であるときは、宅建業法は適用されないため、瑕疵担保責任の範囲を特約で変更することができます。したがって、設問の特約は有効です。
4. 誤り。売主のみが宅地建物取引業者の場合には、宅建業法が適用され、買主に不利な特約は認められません。設問の場合、瑕疵修補請求を認める特約であり、買主にとって有利ですから有効です。
したがって、正解は【2】です。
いかがでしょうか?瑕疵担保責任の知識は、マンション管理士の実務上はあまり活用する機会はありませんが、不動産取引においてはもっとも重要な項目の一つです。こうした基本的な知識は業界に携わる者の常識として、ぜひ修得するようにしてください。