甘味依存症とは
甘いものを食べるとからだがリフレッシュされますが……
糖分は脳細胞の活性化につながりますし、お菓子などはとても美味しいものです。ストレス解消として息抜きやご褒美に食べる方も多いでしょう。一方で、常に糖分を摂取していると、肥満・糖尿病などの病気を起こすだけでなく、高血圧・心筋梗塞・脳梗塞などの血管の病気を起こします。しかし、依存症になっている場合は、摂り過ぎが良くないと思っていてもなかなか止められない状況になっているのです。
なぜ、糖質の摂り過ぎはよくない?
糖質はある程度体に必要です。余分に摂取した場合、インスリンというホルモンが膵臓(ひぞう)から分泌され、血糖を下げてくれます。すると糖質は細胞内に取り込まれ、グリコーゲンという成分や脂肪として貯蔵されます。つまり、甘いもので肥満になりやすいのは、余分な糖質が脂肪として蓄積されていくからです。また、タンパク質は消化され、アミノ酸として吸収されますが、炭水化物は糖分に分解され、最終的にはブドウ糖として吸収されます。したがって、炭水化物の摂りすぎも肥満の原因になります。
長期間にわたり糖質や炭水化物を摂り過ぎることによって、インスリン産生に負担がかかってしまうと、その機能の動きが悪くなります。それが進行すると血糖が上昇していき、尿にも糖が出てしまうので、「糖尿病」と言われているわけです。
甘味依存症は、糖尿病の危険因子と言えます。
甘味依存症の対策
この甘味依存症には、身体面と精神面の問題があります。身体面については、徐々に減らしていくことで、バランスを整えることができます。まずは、身の回りからの対策を考えましょう。- 空腹時には、できるだけ甘い物を避けるようにしましょう
- できるだけ、糖質を含まない水分を摂取しましょう
- バランスのよい食事を心がけ、規則正しく3食摂取しましょう。塩分にも注意し、できるだけ食物繊維を含む野菜などを摂りましょう
- 適切な日光と適度な運動をしましょう。運動は糖質を含めたエネルギーを消費してくれます
- 十分な睡眠を取りましょう。身体をしっかりと休めることで、糖質の欲求を抑えることができます
一方、精神面については、なかなか対策が難しいと言えます。
- 自分の身の回り、特に家の中などに砂糖、シロップ、ハチミツ、お菓子を置かないようにしましょう
- 外出時には誘惑が多いので、できるだけ満腹にしておくか、食べてもよいものを持参しましょう
- ストレスや心労で甘味依存症になることが多いので、ストレスコントロールをしましょう。趣味をもつことです
- 落ち着かないから食べてしまうという習慣がある場合は、読書など甘い物よりリラックスできる方法を考えましょう
- 何と言っても自覚が必要。甘いものを食べすぎた時は反省をしましょう
- とはいえ、自分に厳しすぎると長続きしません。自分に寛容さを少し残しましょう
例えば、ついケーキを2個食べてしまったとしましょう。まずは、2個も食べたことを反省します。しかし、そこで今後は一切食べないとは思いこまず、次回は1個で済ませようと思うようにしましょう。あまり極端に厳しくし過ぎず、ある程度は自分のペースに合わせて、甘味依存症から脱却すべきでしょう。