魅惑のフラワーアイランド「礼文島」
日本最北の地、稚内西の洋上に浮かぶ礼文島。ここは別名「花の浮島」とも呼ばれ、本州なら標高2000m級、北海道でも大雪山系といった標高1600m以上でしか見ることができない高山植物が咲き乱れる「魅惑のフラワーアイランド」です。長く厳しい冬が過ぎ、雪融けとともに訪れる北国の遅い春。5月を過ぎると短い夏を謳歌するかのように、300種を越える花々が島の至る所で咲き始めます。中にはレブンアツモリソウやレブンキンバイソウ、レブンウスユキソウなど、この島でしか見ることができない礼文固有種の花もあります。
ここでは、そんな珍しい島の花にスポットをあてながら、「花の浮島」礼文島の魅力を皆さんに紹介しましょう。
利尻島から見た夕暮れの礼文島
礼文島でフラワートレッキング
礼文の花を満喫するには、歩くのが一番!ということで、地元観光協会イチオシ、丘陵地帯に咲く高山植物のお花畑を満喫し、合わせて島の西海岸の紺碧の海や対岸に浮かぶ利尻富士の風景も楽しめる「桃岩展望台コース」のフラワートレッキングにチャレンジしました。フェリーターミナルの香深(かふか)から桃岩展望台、元地灯台を経て映画のロケ地となった北のカナリアパークがある知床へと続く約7kmのコースですが、今回は山頂の桃岩展望台まで車で送っていただき、ここからスタート。
雨の予報に反して当日の天気は上々。駐車場から展望台に上ると正面下には巨大な桃岩が、また反対側には洋上にそびえ立つ利尻富士が目に飛び込んできました。その息をのむような絶景にしばし足を止め、デジカメのシャッターを押し続けます。この風景を見ることができただけでも「はるばる礼文島に来たかいがあった」と、しみじみ実感!
桃岩展望台コースから利尻富士を望む
利尻富士と桃岩、両方のパワースポット(注)から来る風水エネルギーを存分にチャージし、丘陵をうねるように続く遊歩道を進みます。
丘陵をうねるように続く遊歩道。写真の左手が桃岩
(注)パワースポット・「利尻」と「礼文の桃岩」に関しては、次の記事をご参照ください。
利尻 http://allabout.co.jp/gm/gc/418287/2/
礼文の桃岩 http://allabout.co.jp/gm/gc/418287/3/
道の両脇には、白や黄色、紫の可憐な高山植物が丘を吹き渡る風に揺られ、ハイカー達を歓迎してくれます。花のガイドブックを取り出して、その一つ一つ花の名前を確認。
この白い花の群落はエゾノハクサンイチゲかな、あの紫はハクサンチドリに違いない。
礼文の丘陵を彩るエゾノハクサンイチゲの群落
紫色のハクサンチドリ
あ、この紫のレブンコザクラの隣に咲く黄色い花はキジムシロじゃないか!
レブンコザクラとキジムシロ
ガイドブックでそれぞれの花の名を見出す都度、それまでは「単なる路傍の野草」だった花たちが生き生きと動きだし、まるで妖精がひらひらと宙を舞うようにイメージの世界を飛び交い始めます。そして眼前を舞う花たちの彼方には「神の島・利尻」の姿が……。
これは「名前」という「言霊(ことだま)の力」が花たちに生命のエネルギーを与えたからなのか、あるいは太古から島に棲むカムイ(神)がもたらした素敵な魔法だったのでしょうか。
花と風景が織りなす甘美で幻惑的な世界の虜となり、歩くことを忘れてしばしその場にたたずんでしまいました。
花たちの彼方には、神の島・利尻の姿が・・・
桃岩展望台コースのマップ
礼文島トレッキング 桃岩展望台コースの詳細
http://rebun-trail.jp/c-momoiwa.html
さあ、次は礼文の女王・レブンアツモリソウに会いに行きましょう!