遺伝カウンセリングってどんなもの?

本来、出生前診断・新型出生前診断を受けるには遺伝カウンセリングが欠かせない(写真はイメージです)

本来、出生前診断・新型出生前診断を受けるには遺伝カウンセリングが欠かせない(写真はイメージです)

出生前診断について5回シリーズでお送りする記事の第3回です(第1回「賛成? 反対? 出生前診断の歴史と意義」、第2回「出生前診断とは? 種類・時期・費用・実施病院」から続きます)。

今回のテーマは「遺伝カウンセリング」。これは本来、出生前診断すべてにおいて検査前後におこなわれるべきものです。学会のガイドラインにもそう書かれています。

しかし日本ではその体制が整っていないので問題となっています。今のところ、日本で遺伝カウンセリングが必ず実施されているのは、新型出生前診断(NIPT、無侵襲的遺伝学的検査)のみです。

遺伝カウンセリングは遺伝子の病気の心配を専門家に相談する場

「遺伝」という言葉は、日本ではもっぱら「ある特別な遺伝子が代々伝わる」という意味で使われてきました。しかし遺伝カウンセリング(genetic counseling)で使われている「遺伝」という言葉は「遺伝子(gene)」から来ており、親から子へ伝わるものだけを扱っているわけではありません。

遺伝子(もしくはそれが凝縮した姿である染色体)に起因する疾患には、親から子へ原因遺伝子が引き継がれるケースと、両親にはない病気が赤ちゃんに突然起きるケースの二通りがあります。例えばダウン症候群のような染色体の本数が違う病気は、特別なタイプを除き、ほとんどの場合、正常な染色体を持つ親から偶然に発生します。

病気が子孫に伝わる遺伝についても、今では特別なことだという感覚が薄れてきました。がんや糖尿病など最もありふれた疾病と遺伝子の関係も次々に解明され、自分の遺伝子を知って病気の予防に役立てたい、と前向きに考える人も増えています。遺伝カウンセリングは、少しずつ身近な場になってきたと言えるでしょう。出生前診断についてプロに相談したいと思ったら、積極的に遺伝カウンセリングを利用しましょう。

こんな人が遺伝カウンセリングの対象になる

遺伝カウンセリングは、大きな病院や、胎児診断専門のクリニックなど遺伝性疾患に関わりが深いクリニックで行われており、たいてい予約制がとられています。病院によっては「遺伝科」というふうに独立した科となっていることもあります。

妊娠関連の遺伝カウンセリングは、次のような人が対象者として考えられます。

【遺伝カウンセリングの対象となる人】
・染色体疾患が増加する高齢妊娠の人
・染色体や遺伝子の疾患を持つ子どもを出産したことがある人
・自分や配偶者、その親族が遺伝性疾患を持っているので、子どもへの遺伝が心配な人
・超音波検査や母体血清マーカー検査で染色体疾患の可能性が高いと言われた人
・その他、何らかの理由で遺伝学的な出生前診断を検討している人

親自身に心配な病気の原因遺伝子があり、それが子どもに伝わる心配をしている場合は、妊娠の前に相談することもできます。