幸せは自己完結で達成するもの?
「自分の気持ち次第で恋愛が思い通り」「この習慣を変えるだけで成功する~」など、相変わらず自己啓発的な恋愛指南が人気です。でも、恋愛に関していえば、自分の気持ちひとつで思い通りになる……という自己完結型の発想は誰も幸せにしません。たとえば、自分探しの旅を否定するわけではないけれど、海外の特別な場所に行かなくても自分と向き合うことはできますよね。
(C) 2015吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ
日常のなかにこそ大切な出会いがあり、普段の生活のなかでも幸せな恋をするきっかけはたくさんあります。過去を捨て、周囲との関係を断ち、新しい恋によって人生をリセットしたい…というつもりでもなければ、自分と身近な人との関係を今一度見直すことから、誰の隣に自分の居場所を見つけることが幸せへの近道なのかがわかります。
このことを、改めて考えるきっかけとなったのは、映画『海街diary』を観たから。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという豪華キャストを、是枝裕和監督が感情豊かに描き出した話題作です。
父と母に捨てられた三姉妹と、父の遺した母違いの妹が暮らし始めるこの物語。恋愛ストーリーではありませんが、四人のそばには重要な男性の存在があり、彼女たちは自分なりの考え方で自らの居場所を選択していきます。家族や生き方、誰と人生を歩むかについて、考えるヒントがちりばめられています。
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