18戸用意された「ユニバーサルプラン」
「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」は京王線「千歳烏山」駅徒歩3分、総戸数265戸の大規模分譲マンションである。2014年10月28日に公式サイトを開設し、2015年5月20日までに約3100件の反響を得る。第1期分譲は2015年6月を予定している。同プロジェクトは、三菱地所レジデンス100%子会社の「メックエコライフ」による「コミュニケーションコリドー」(廊下にベンチやウェルカムトレリスを設置)など共用部の工夫が特徴的。「メックエコライフ」は一括高圧受電と太陽光発電を組み合わせた「ソレッコ」(グッドデザイン賞受賞)や外断熱+コンクリート打ち放しの内装で注目を集めた「パークハウス吉祥寺オイコス」を手掛けるなど三菱地所レジデンスのマンションにおける商品企画を考案する役割を受け持つ。
「ザ・パークハウス千歳烏山グローリオ」では、18戸用意された「ユニバーサルプラン」も特筆すべき試みであろう。1m以上の幅を有した廊下、ゆとりのある水回りスペースなど一般には見たことがない仕様が盛り沢山である。なかでもA-50Aタイプは、玄関を入ってすぐリビングダイニングを配置(下の画像参照)。「モデルルーム来場者は一様に驚かれる」(販売関係者)そうだ。
共同事業の利点
実際にユニバーサルプランの間取りを見てみよう。モデルルームとして用意されたA-50Aタイプが下図。玄関からリビングダイニングを抜けて洋室に行くという通常ではありえないレイアウトである。扉はすべて引き戸。廊下は広く、水回りにもゆとりがある。トイレは便器の先端から正面の壁まで1m。洗面もボウルから浴室扉まで1m以上を確保している。玄関の上がり框もフラット。車いすでの移動がスムーズに行える設定だ。廊下は手すりを増設できるよう下地が補強されている。
マンションの居住者は指定の医療機関で人間ドック受診料の割引など医療提携サービスが受けられる。また、隣接地にはセコム医療システム運営のデイサービス施設が開設予定だ。
関係者によると、今回のユニバーサルプランはセコムグループがかねてより構想を描いてきたもので、専有空間として念願かなったのは「三菱地所設計の技術力によるところが大きかった」とか。マンション分譲における複数企業の共同事業は少なくはないが、このように互いのノウハウが目に見える形で認識できるケースは珍しいかもしれない。