今年のトニー賞授賞式、見どころチェック!
第69回 トニー賞授賞式、今年の司会者はアラン・カミングとクリスティン・チェノウェスの2人。アラン・カミングは昨年の授賞式で『キャバレー』のMC役としてキレっキレのパフォーマンスを披露し、クリスティン・チェノウェスは劇団四季も上演したミュージカル『ウィキッド』グリンダ役のオリジナルキャスト。今年は『20世紀号に乗って』の演技で主演女優賞にもノミネートされています。……と聞いても、ピンと来ない方の為にもう一声! アラン・カミングはNHKでオンエアされたドラマ『グッド・ワイフ』のイーライ役や映画『チョコレートドーナツ』の主演としても活躍。クリスティン・チェノウェスはアメドラ『glee』にエイプリル役として準レギュラー出演。2人とも舞台出身で映像にも積極的に出演している俳優なのです。 更にアラン・カミングも、クリスティン・チェノウェスもかなりパンチの効いたトークを繰り出すことで有名で、今回はその暴走(?)を止める人がいない為、かなり濃い進行&毒舌が飛び出すことは必至。その辺りも注目すると楽しめるかと思います。
また、トニー賞=演劇界の賞といってもそこはアメリカ! ハリウッドから飛び出して舞台に挑戦したスターやアーティストたちも壇上に上がるのですが(昨年の司会は映画『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャン役を務めたヒュー・ジャックマン)、今年はどんなスターが登場するのでしょうか?
ちなみに第68回となる前回の授賞式にはサミュエル・L・ジャクソン、キャロル・キング、ジェニファー・ハドソン、イディナ・メンゼル、スティングらが登場し、会場を盛り上げました。その辺りもチェックポイントですよ!
渡辺謙さん受賞の行方と
『王様と私』カンパニーのパフォーマンスをチェック!
そしてやっぱり私たちが全力で見守りたいのが、渡辺謙さんが(最優秀)主演男優賞を獲得できるのかという点と、彼が主演するミュージカル『王様と私』が「リバイバル・ミュージカル作品賞」をはじめ、何部門で受賞できるかという事ですよね。どうやら『王様と私』カンパニーは当日パフォーマンスの予定もありそうです(名曲「Shall We Dance?」他)。謙さん演じるKingの姿が世界中に配信される様子はマストチェックポイント! 日本では6月8日(月)の朝8時からWOWOWが授賞式の様子を独占生中継します。
個人的には今年の「ミュージカル作品賞」「ミュージカル・リバイバル作品賞」は『サムシング・ロッテン』のようなコメディ系や、ジーン・ケリーの映画が下敷きになっている『巴里のアメリカ人』のような舞台もあるものの、全体的にはシブい作品が多いかなあ、という印象。
むしろ「演劇作品賞」「演劇リバイバル作品賞」の濃厚さが気になります。例えば『夜中に犬に起こった奇妙な事件』や『エレファントマン』『ウルフ・ホール』など。『夜中に~』は昨年、森田剛さん主演・鈴木裕美さん演出で日本でも上演されていますし、『エレファントマン』は市村正親さん他、多くの俳優が挑戦してきた舞台。RSC(=ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)の『ウルフ・ホール』は日本で蜷川幸雄さんや白井晃さんが演出しそう。
演劇=ちょっと暗くてどこか地味……そんな概念を覆すアメリカ演劇界最高のお祭り=トニー賞! 普段舞台をご覧にならない方が見ても、華やかで盛り上がる授賞式の様子や厳選されたパフォーマンスは充分面白いと思います!
渡辺謙さんの受賞に期待しつつ、ゴージャスなエンタメの世界をじっくりお楽しみください。