平成26年度マンション管理士試験に挑戦!
【問 題】
甲マンション管理組合は、平成26年4月1日にA保険会社との間で下記の条件による保険契約を締結し、同日5年分の保険料1,200,000円を一括して普通預金から支払った。平成26年4月に甲が行う仕訳として適切なものは次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、会計年度は平成26年4月から平成27年3月31日までとする。
<保険契約条件>
・積立部分と掛捨て部分で構成される積立保険
・保険期間は、平成26年4月1日から5年間
・保険料は、総額1,200,000円の初年度一括払い
・5年後の満期返戻金は、800,000円
・掛捨て保険料総額は、400,000円(年80,000円)
1.
現金預金 ¥1,200,000 / 積立保険料 ¥800,000
前払金 ¥400,000
2.
積立保険料 ¥800,000 / 現金預金 ¥1,200,000
支払保険料 ¥320,000
前払金 ¥80,000
3.
現金預金 ¥1,200,000 / 支払保険料 ¥800,000
積立保険料 ¥400,000
4.
積立保険料 ¥800,000 / 普通預金 ¥1,200,000
前払金 ¥320,000
支払保険料 ¥ 80,000
【解答・解説】
マンション積立保険の契約が、積立部分と掛捨て部分で構成されること、そして5年契約のため、保険料のうち今年の分と残り4年分とでは会計処理が異なることに着目する必要があります。
まず、積立保険料の80万円は資産の部に計上されます。一方、掛捨て保険料の40万円のうち、今年の分(8万円)は今期に費用計上しますが、来年以降4年間の保険料(=40 - 8 =32万円)は、発生主義にもとづくと計上時期が到来してないので「前払金」となり、資産の部に計上します。
また、これらの支出や資産の増加は、いずれも仕訳処理上は「借方」に計上されます。
一方、保険料の支払いのために銀行預金から一括払いしていますが、普通預金の引き出しは資産の減少に当たるため、仕訳処理上は「貸方」に計上されます。
したがって、正解は【4】となります。
いかがでしょうか。管理組合の会計はほぼ決まった処理しか行われないので、前ページに挙げた定番的な仕訳処理についてはなるべく暗記してしまいましょう。そして、基本的なルールを身に付けた後は、繰り返して問題演習に取り組むと効果的です。
なお、会計に関する知識はマンション管理士の実務でも求められる機会が多いので、時間に余裕のある方は簿記検定3級レベルの知識を身に付けておくことをお奨めします。