アドバイス1 「なぜ本気で節約できないのか」がポイント
ご相談を読んで気になる点がいくつかあります。まず「自己投資と言い訳をして」と書かれていること。深い意味で書いたのではないかもしれません。しかし、もし本当に「言い訳」と思われているとしたら、今現在、自分がしていることに迷いや不安があるのでないでしょうか。目的のために頑張っているなら、自分のしていることに対して「これも大切だ」という強い思い入れや信念みたいなものがあってもいいと思います(それが見当違いで失敗するケースもあるのですが……)。
もうひとつは「20代のころのように、がむしゃらに節約できなくなってしまった」という部分です。留学をしたくて200万円を貯めたころの思いが薄れているとすれば、それは最終的な目的が開業ではなく、ロンドン留学そのものになっている、あるいは現状で満足しているということでしょうか。本気で目的のために節約していたあの気持ちに、なぜなれないのか。振り返って考えてみることが、まずはayanoさんにとって大事なことだと思います。
アドバイス2 貯めても使ってしまう、その原因を考えよう
日本で開業するのであれば、家計自体を貯蓄シフトに切り替える必要があります。現在、貯蓄が毎月6万円。しかし、その貯蓄ペースよりもまず、「貯めては使い、貯めては使いの生活」という部分が問題です。現在の貯蓄額は30万円。実質、5カ月分しか貯まっていません。貯蓄をおろしてまで使っている内容を把握し、それに歯止めをかけなくては、ずっと同じことの繰り返しとなります。仮に今後、貯蓄には手をつけず毎月6万円貯蓄できたとします。それでも目標の300万円貯めるには4年が必要です。3年後の帰国では独立開業資金には届きません。そうなれば、対処法としては(1)計画を延期する、(2)貯蓄ペースを上げる、(3)開業プランを変更する、(4)開業そのものを断念する、のいずれかです。
どれが現実的で、今の自分はどうしたいのか。自分自身と向き合って、じっくりと考えてみてください。
アドバイス3 開業のためのリサーチをしておく
いずれにせよ開業の場合は、その資金の「300万円」も精査する必要がありそうです。立地はかなり重要ですし、それによって発生する家賃は大きく変わります。また、仕入れ資金や人件費など、当面の運転資金も合わせてその金額で足りるのか。どの程度売り上げを考えているのか。さらには、その数字は継続可能で現実的な額なのか……。そういった部分は、やはり日本でのマーケティングが大事になるはず。そのために帰国することはなかなか難しいでしょうから、ネットを駆使して、または日本のお友達に頼んで、そのあたりのリサーチは絶えずしておくべきでしょう。
今回はあまりお金の部分には触れられませんでしたが、ayanoさんの場合、それよりも先に気持ちの部分での整理や再考が必要だと感じました。かつてがむしゃらに貯めた実績があります。年齢も関係ありません。その気になれば、きっとまた貯められるはずです。ぜひ頑張ってください。
教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ
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