土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

オーナーさん必修の清掃管理、その注意点とポイント

建物の美観を保つことは、空室対策の重要なポイントとなります。清掃管理のなされていない建物には不良入居者が集まる傾向があり、家賃滞納や原状回復トラブルの原因となります。日常清掃を徹底して物件の美観を保ち、優良入居者の獲得に努めるようにしましょう。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

建物の清掃は、空室率に大きな影響を与えます。
特に、ある程度の年月を経たアパートやマンションでは、清掃状況により空室率に大きな差が生じることになります。

たとえ同じような立地条件や家賃設定であっても、清掃管理のしっかりとしたアパートでは満室が続いているのに対し、そうでないアパートでは、空室に加えて滞納や原状回復トラブルに悩まされているといったケースは決して珍しいことではありません。

7割以上の方がゴミ置き場をチェック

株式会社リクルート住まいカンパニーの調査によると、約60%の内見者が、お部屋を選ぶ際に管理状況をチェックしているとのことです。そして、その内の73.1%がゴミ置き場を、63.3%が玄関や廊下の汚れをチェックしているという結果が出ています。

つまり、多くの方にとって、建物の管理状態はお部屋探しの重要なポイントとなっているということです。
内見の際に確認する管理状況

内見の際に確認する管理状況


好循環と悪循環の分かれ目となる「清掃管理」

汚れていても気にしない人は、平気でごみを散らかすものです。従って、アパートやマンションの汚れを気にしない入居者が増えれば、敷地内にゴミや放置自転車などが増える傾向があります。

そして、そのゴミが更なるゴミや不良入居者を呼ぶことは想像に難くありません。
また、そのような入居者は部屋も汚く使ってしまう為、自然損耗とは言えないような汚れを残し、退居の際には原状回復トラブルを引き起こしてしまう可能性が高いです。更に、お金に関してルーズな場合も多く、滞納問題が頻発し、典型的な悪循環を引き起こしてしまうのです。

このような事態に陥らないためには、やはり日常清掃を徹底して物件の美観を保ち、優良入居者の獲得に努めることが大切になります。

清掃はプロの業者に任せる

モップのかけ方ひとつを取ってみても、「同じ方向に何回かけ、今度は違う方向から何回かける」といった、『正しいかけ方』が存在します。

共用部分の床の拭き掃除は、アパートであれば通常は月1回でとなりますが、その1回をプロが行うか、素人が行うかでは、数年後には見た目に大きな差が出てしまうのです。

清掃費用を節約する為にご自身で清掃するオーナーさんもいらっしゃいますが、素人ではどうしても、行き届かない面があるので注意が必要です。

清掃業者選びのチェックポイント

日常清掃は専門の業者に委託するのが一般的ですが、業者にはプロ意識を持ってしっかり清掃してくれる会社と、そうでない会社が存在するのも事実です。
その為、時々物件を訪問し、清掃状況を抜き打ちで確認する必要があります。

中には、材質に合っていない洗剤やブラシで床や壁を傷つけてしまったり、水を使った後、びしょびしょの状態のまま引き上げてしまったりする業者も存在します。
水を使う場合、しっかりと拭き取らないと、かえって水跡がついて落ちなくなってしまいます。もし、委託している業者が清掃のノウハウをきちんと身に付けていないと感じるのであれば、思い切って変更を検討しましょう。

また、「定期清掃実施表」を取り寄せるのも効果的です。しっかりとした業者であれば、「いつ」「どこを」「誰が」清掃したかを記録に残しています。

そのような業者であればチェック項目が細かく記載されている為、清掃もれは発生しないはずです。しかし、もし、定期清掃表に印鑑を押すだけで済ませているような業者だとすれば清掃漏れが頻発している可能性があります。

日常清掃は入居率を左右する大きな要因となりますので、清掃業者は慎重に選択することをお勧めします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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