プロが教える、関西空港での「飛行機撮影」テクニック
関空展望ホールから撮影。特に、夕方~夜は日中とは異なった光景になり、撮影におすすめです。Nikon D810 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6 1/25秒 F5.3 WBマニュアル ISO4000
関西にある主要3空港のうち、大阪・関西空港は国際線がメイン。就航する航空会社のラインナップは、アジアをはじめ欧米やオセアニア、そしてLCCまで多彩です。
同じ関西にある国内線がメインの伊丹空港とは異なる飛行機撮影が楽しめ、特に夕方と夜の撮影は人気。関西空港で飛行機撮影を上手に楽しむポイント、おすすめの撮影方法などをご紹介します。
関空の撮影スポット「関空展望ホール」へのアクセス方法
関西空港では、2つあるターミナル自体には展望デッキが設置されていません。第1ターミナルから少し離れた場所にある「関空展望ホール スカイビュー」での撮影がメインになります。
関空展望ホールには、第1ターミナルのバス乗り場で一番南に位置するバス停「1番乗り場」から、無料の連絡バスが運行されています。平日や休日の朝夜はほぼ20分ごと、休日の日中はほぼ10分ごとに便があり、所要時間は5~10分。空港島の対岸にあるりんくうアウトレットを行き来するバス(有料)もあります。
また、関空展望ホールの横には駐車場(有料)もあります。バイク駐輪場は無料です。関空連絡橋を渡った直後、料金所をすぐ左手に入ります。
この関空展望ホールは、メインホールとエントランスホール、2つのビル(いずれも5階建て)です。飛行機撮影に適しているのは、メインホールの4階と5階、エントランスホールの5階にある「スカイデッキ」になります。
関空展望ホールには、ほかに、エアライングッズなどがそろう「スカイショップタウン」、本格的な機内食が地上で食べられることで知られるレストラン「レジェンド オブ コンコルド」、空港や飛行機について学べる「スカイミュージアム」などがあります。
(参考)
関空展望ホール「Sky View」は航空テーマパーク
【スポット情報】
関空展望ホール スカイビュー
営業時間:8:00~22:00 ※8:00~10:00はメインホール4階・5階スカイデッキのみ営業
入場料:無料
TEL:072-455-2082
http://www.kansai-airport.or.jp/skyview/skyview.htm
撮影スポットでまずは関空の“定番”写真を撮る
まず、関西空港で“定番”ともいえる飛行機写真です。滑走路の運用が、北風運用=【R/W06】で、離陸していく飛行機を撮影します。現在の関西空港では、この撮影が定番の1つと言えます。
関西空港には、滑走路が2本あります。関空展望ホールからしっかり飛行機が撮れるのは「第1滑走路」になります。
また、飛行機は風向きによって離着陸する方向が変わります。1日に何度も変わることがあります。飛行機は風が吹いてくる方向に向かって離陸していくのが基本です。
連絡橋をバックに着陸してくる機体を撮影する、関空ならではのショット。焦点距離150~200mm程度のレンズであれば十分。Nikon D7200 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6 1/750秒 F6.7 WB晴天 ISO100
また、近年はほとんど撮影チャンスがありませんが、滑走路の運用が南風運用=【R/W24】で着陸してくる飛行機を、関空連絡橋をバックに撮影できることも。メインホールの4階または5階から撮影が適しています。午後順光。(近年は、着陸は第2滑走路がメインです)
関空展望ホールから、同じR/W24に着陸する機体を、対岸の街並みを背景に撮影しました。天気が良いと、海や空が青く、対岸の景色も見えますが、天気が悪いと霞んでしまうことも。飛行機写真は「天気」、そして水平方向に見渡せる距離「視程」がとても重要です。
撮影スポットから滑走路を移動する飛行機を撮るのも楽しい
滑走路をタキシー(移動)中の機体が2機。機体単体だけでなく、2機、3機・・・と一緒に撮るとバリエーションが広がります。Nikon D500 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6 1/800秒 F8 WBオート ISO100
R/W24運用時、離陸機のほうに注目すると、上のような写真になります。離陸直前の機体が関空展望ホール近くにタキシーしてきます。お気に入りの機体、珍しい機体などをアップで撮るのも良いでしょう。
標準レンズではやや厳しいですが、焦点距離200mm程度のレンズがあれば十分撮れます。
搭乗口を離れるタイ航空A380。第1ターミナル北ウイングは関空展望ホールから近く、特に朝はルフトハンザ、フィンエアーといった欧州への便などが並んでいます。Nikon D7200 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6 1/750秒 F8 WB晴天 ISO100
離発着する機体だけでなく、ターミナルの方にも目を向けてみます。
特に午前中と夕方は、出発ラッシュ。第1ターミナルにズラリと並ぶ機体、スポット(搭乗口)を離れる様子なども、関空展望ホールから撮影できます。
滑走路の運用が【R/W06】で撮る場合
滑走路の運用が逆、つまり【R/W06】の場合、離陸する機体を撮影することになります。
中~長距離路線だと、滑走路をめいいっぱい使って離陸していくため、関空展望ホールからやや近い位置で滑走路を離れます。一方、短距離だと早めに上がってしまうことが多く、相当な焦点距離がある望遠レンズでも離陸の瞬間はなかなかきれいに撮れません。
焦点距離300~400mm以上あるズームレンズまたは単焦点レンズがおすすめです。
【R/W06】で離陸する機体は、短距離路線だとやや腹気味になってしまいますが、中~長距離路線だと便によってはなかなかちょうど良い角度で撮れます。空が背景となるので、青空に少し雲がある程度の空がベストです。
関空撮影で人気 夕方~夜の撮影テクニック
関西空港が他の空港と異なるのは、関空展望ホールから第1ターミナルがほぼ真横から一望できることです。通常、空港に設置されている展望デッキだと、滑走路とほぼ平行に位置するので、機体を横から撮影することになるのと異なる光景が撮れるので人気です。
そして、夕方から夜にかけての撮影が楽しめるのも、関西空港ならではです。晴れた日だと美しい夕方の景色とともに、飛行機撮影ができることも。
夜の撮影は、「三脚」の使用がおすすめ。スカイデッキでは、三脚は使用可能です。
滑走路の誘導灯が点灯し、日が沈んで夜がだんだん更けていく、真っ暗にならないタイミングが、飛行機の夜景撮影には適しています。F値の明るいレンズがあれば、さらにきれいな飛行機写真が撮れるでしょう。
なお、関空展望ホールの営業時間は、朝8時から夜22時までです。この時間以外は撮影できませんので、ご注意ください。
KIX 関西国際空港
http://www.kansai-airport.or.jp/
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