「マクロ経済スライド」による調整ルールが
見直され、年金額の上昇は抑制される!

公的年金は徐々に減っていくのは確実。

公的年金は徐々に減っていくのは確実。

公的年金額は、賃金・物価の変動に応じて、毎年、見直されています。現役世代が納めている保険料など限られた財源の中で年金の給付水準を調整する仕組みとして「マクロ経済スライド」が導入されています。

具体的には、賃金・物価による年金額の伸びから、平均余命の伸びや現役世代の減少を考慮した「スライド調整率」を差し引いて、年金額を見直すことになっています。ただ、年金をもらっている人に配慮して、前年度より年金額を引き下げない措置(名目下限措置という)がとられています。

しかし、マクロ経済スライドによる年金額の調整は、賃金・物価が大幅に上昇しなければ、十分に行われません。そのため、2018年4月から、名目下限措置は維持しつつ、賃金・物価の伸びが小さい、または、下落したときに調整できずに繰り越した分は、賃金・物価が上昇したときに調整する仕組み(キャリーオーバー)が導入されます。

つまり、賃金・物価が上がったら、繰り越した分も含めて年金額を減らすということ。宝くじのキャリーオーバーはいいですが、年金減のキャリーオーバーはあまりありがたくないですね。

ただ、年金給付水準が高止まりすると、現役世代、そして、その下の世代にツケが回ります。つまり、子どもや孫の世代が将来もらう年金額が減らざるを得ないということ。なので、この制度改正は当然と言えば当然ですね。ですから、マクロ経済スライドに限らず、何らかの方法(制度、政策)で年金減額が推進されることを望む人でありたいものです。

年金は減るが、負担は増える

今後、年金額はジワジワと減っていくことは想定しておく必要があります。公的年金の税制優遇は見直されそうで、手取りはさらに減るでしょう。

一方、医療費の自己負担は増えていきますし、健康保険料・介護保険料はアップ、消費税も上がる、と負担は増すばかりです。つまり、老後生活はますます厳しくなることが想像されるのですが、筆者の周囲にはポカンとしている年金受給者がけっこういます。その人たちがポカンとしているのは、「今の年金+仕事の収入+アルファ」で生活が成り立っていて、それが、ずっと続くと思っているからのようです。

ますます高齢者に厳しい世の中になる!?

それに、年金が減っても仕事ができなくなっても、「自分は長生きしないから、年金と貯蓄で何とかなる」「先のことは考えても仕方がないので考えないことにしている」と現実を無視したセリフを語ります。また、「子どもたちの世話にはなりたくない(なれない)」とも言います。

子どもたちの世話になる、ならないは別として、とにかく現実を直視してください。平均余命は毎年のように延びていて、想像以上に長生きする可能性が高いことを。高齢になって生活的に自立できなくなり、施設に入ろうとすると、年金だけで費用を賄うのは難しいことを。物価は上がっても年金は増えないことを。高齢者の義務的負担は増えていくことを。このままインフレが続けば預貯金中心の金融資産はどんどん目減りしていくことを。結果として、高齢者に優しくない(優しくできない)未来が待ち構えていることを。これらをひっくるめて「年金減時代」と認識するならば、すぐに対策が必要なことがわかると思います。

年金減時代を乗り切る家計のポイントは3つ

年金減時代の対策には正攻法しかありません。まず、働き続けて収入を維持または増やすこと。働き方を変えても生涯現役で働く覚悟を持つことが必要です。家計のムダを極力省いて、就労収入と年金でやりくりし、老後資金として貯蓄しているお金はギリギリまで使わないようにしましょう。

働き続けるためには、起業して自分で働く場を作るのもアリです。また、インフレに対応し、老後資金を少しでも増やすための投資も必要です。ただ、定年起業、定年投資デビューで大金を損して、老後ビンボーに陥る人もいると聞きます。そうならないために、ほどほどを心掛けてください。

現在、40代・50代の人も年金減は免れません。この年代は、年金支給開始年齢が現状より遅くなる懸念があります(再雇用の年齢が上がるかもしませんが)。それに、この年代は今以上に平均余命が延びるかもしれません。現在の年金受給者より、かなり厳しい老後が待っています。少しずつでもよいので、積み立てを増やすなどして老後資金の準備をしましょう。

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