競馬/一頭追っかけシリーズ

追っかけシリーズ第11回 ~遂にやってきたこの瞬間~

日本の競馬において、最上級クラスに当たる「オープン」。そこまであと1勝と迫りながらも、足踏みが続くシャドウダンサー。ですが、ついに、ついにオープン入りを決める瞬間がやってきました。その模様をお送りします。

河合 力

執筆者:河合 力

競馬ガイド

これ以上、足踏みはしたくない

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サンシャインステークス直前のシャドウダンサー

2013年9月のデビュー以来、相手の迷惑もかえりみず、勝手に追いかけているシャドウダンサー。競走馬は、レースの成績に合わせて所属クラスが決まっており、シャドウダンサーは上から2つ目の「1600万下」に属しています。

昨秋、夏場の休養から復帰したシャドウダンサーは、1000万下のレースを勝ち、続く1600万下のレースで2着と好走しました。このとき私は、「あ、これならすぐにオープン入りできるな」とほくそ笑んだものです。

しかし、その後のシャドウダンサーは、1600万下のレースで7着→2着。思わぬ足踏みが続いていました。

とはいえ、歩みを止めるわけにはいきません。多くの競走馬にとって、4歳~5歳はまさに全盛期。現4歳のシャドウダンサーも、今年来年で飛躍するためには、なんとか早い段階でオープン入りしたいところです。

ということで、オープン入りをかけるシャドウダンサーが挑んだのは、3月14日のサンシャインステークス(芝2500m/中山競馬場)。「なんだ、もうだいぶ前の話じゃないか」というツッコミは勘弁してください。

しかし、年末以来、2度目の大敗を喫す……

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もちろん私も、シャドウダンサーの馬券を買って応援します!

前回出たレースは、1月18日の初富士ステークス(芝1800m/中山競馬場)。そのとき2着だったシャドウダンサーは、約2ヶ月ぶりのレースとなります。このレースのポイントは、2500mという距離。今まで出てきたレースは1800m~2200mでしたが、今回は、自身にとって“最長距離”のレースとなります。

レース前の出走馬が歩くパドックに姿を現したシャドウダンサー。7着に敗れた年末のグレイトフルステークス(芝2200m/中山競馬場)ほどではありませんが、この日も、わずかながら歩様(歩き方)がゴトゴトしていました。

とはいえ、そこまで悲観するほどの雰囲気でもありません。きちんと力を出せば、今度こそ勝てるはず。そう信じていましたが、しかし……

それでは見ていただきましょう、悲しみのサンシャインステークスを!

サンシャインステークスのレース映像(シャドウダンサーは緑帽の8番)

一体どうしてしまったんだ、シャドウダンサーよ。こういった大敗を見るのは、年末のグレイトフルステークス以来。あのときに比べれば、レース前の歩様はまだマシで、そして精神的にも落ち着いているように見えた(※グレイトフルステークスのときは、レース前に珍しく落ち着きがなかった)のですが……。

レース自体も、好スタートから2・3番手をキープして直線へ。ケチのつけようがない展開です。そして、直線入口では先頭争いに加わったのですが、外から他馬に来られた瞬間に、ズルズルと下がってしまいました。

シャドウダンサーに肩入れしていることもあり、これを「実力負け」と認めるわけにはいきません。現に、このクラスのレースでは上位争いをしているのですから。大敗の原因を求めるならば、やはりそれは「2500m」という距離しかないのでしょうか。

競馬のおもしろさは、それぞれのサラブレッドに明確な得意距離があること。1200mという短距離で強い馬も、1600mになると距離が長すぎて勝てないケースがあります。それほど「距離適性」はシビアで、だからこそ、実力や性格だけでなく、その馬の距離適性を考えながら追いかけるのが楽しみと言えます。

シャドウダンサーについても、2200mまでは良績を残していましたが、それより長い距離には現時点で限界があるのかもしれません。大敗に肩を落とした競馬場の帰り道、私は「距離」以外に敗因を見つけることができませんでした。

ただ、もし距離以外の部分に本当の敗因があったとしたら……。もし、距離が短くなっても同じ結果が待っていたら……これは厳しくなります。だからこそ、次のレースが重要でした。

そして迎えたのが、4月11日の湾岸ステークス(芝2200m/中山競馬場)。「なんだ、もうだいぶ前の話じゃないか」というツッコミは勘弁してください。

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