皮膚・爪・髪の病気/円形脱毛症・薄毛

加齢による薄毛、市販薬はほんとに効果があるの?

「年齢とともに、抜ける髪の量が増えてきている……」。今回は男性も女性も気になる、加齢による脱毛症の治療法をご紹介致します。ドラッグストアでも買えるような、多種多様の育毛剤は本当に効果があるのでしょうか?皮膚科のガイドラインにそれが載っていますよ。

蘇原 しのぶ

執筆者:蘇原 しのぶ

皮膚科医 / 美と健康ガイド

加齢とともに、抜ける髪の量が多くなった気がする……。男性も女性も悩みがちな、加齢による脱毛症の治療法をご紹介致します。ドラッグストアでも買えるような、多種多様の育毛剤は本当に効果があるのでしょうか?皮膚科のガイドラインにそれが載っていますよ。

薄くなっても、毛の数自体は変わっていない?

脱毛症には様々な種類があり、代表的なものを下記に挙げました。

  • 円形脱毛症
  • 男性(壮年)脱毛症
  • 内科的疾患による脱毛症
  • 梅毒などの感染症による脱毛症

今回取り上げる脱毛症は「男性型脱毛症」、もしくは「壮年性脱毛症」と呼ばれるものです。「年齢とともに髪が薄くなる」というスタンダードな症状ですね。

実はこの脱毛症、毛が抜けてなくなっているのではなく、毛の数自体は変わっていません。それでも薄く見えてしまう理由は、太く長い毛が細く短い毛(軟毛)に置き換わってしまっているのが原因です。そのため、治療としては強く・太く・長く・こしがある髪を作る、ということが何よりも大事になります。

治療に「早すぎる」ことはない

遺伝的な側面があるので、親の髪の毛が薄い場合は子も似た症状になる、というのは本当です。最近では口の中を綿棒でこするだけで、脱毛症になりやすいかがわかる遺伝子検査なども出てきています。男性様の脱毛症改善薬が効くタイプかどうかも診断できるようになりました。

予防はなかなか難しいのですが、どの病気でもそうであるように、早めに治療をすることが重要です。20代で治療を開始される方は40代で治療を開始されるよりも、ずっと髪の毛が増える確率が高いですよ。「20代で治療なんて早すぎる!」と思っていますか?むしろベストな時期と言えます。

エビデンスに基づいた治療

早めの受診が大切です

「皮膚科ガイドライン」には、皮膚疾患に対する治療法のエビデンスが掲載されています

さて、治療の話になりますが、今は便利な「皮膚科ガイドライン」というものがあります。多くの皮膚疾患において、各治療法に対するエビデンスが掲載されているものです。

エビデンスが高いものから、A~Dに推奨度が分けられており、Aから順に効果が期待できる治療となっています。

  • A   : とても効果がある
  • B   : 効果がある
  • C1 : 試してみてもいいかも
  • C2 : 根拠がありません
  • D   : 効果がありません

ガイドラインは、随時最新のものに更新されており、全国の医者が同じ病気において、統一した治療ができるようになりました。

次ページにて、男性型脱毛症に効く具体的な治療法をご紹介します。

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