テクノポップ/海外のテクノポップ

ダフト・パンクよりずっと前にヘルメットだった奴ら(3ページ目)

今や世界制覇をしたと言っても過言ではないダフト・パンクは、いつからヘルメットを着用していたのでしょう? 今から38年ほど前に同郷のフランスからヘルメット姿でデビューしたバンドがいます。彼らのクリップを見れば、僕が彼らをダフト・パンクの原型と呼ぶのも納得してもらえるのではないでしょうか?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

共産テクノにも影響を与える

テクノポップやディスコの文脈でそれほど注目を浴びていなかったスペースですが、彼らはソ連でも人気を誇りました。ソ連では1983年に『Волшебный полёт(英語で「Magic Fly」)』をリリースしています。ソ連版のジャケに写っているのは、中心メンバーのディディエ・マルアニ(Didier Marouani)。まったくバンドの世界観が反映されていないジャケは残念です。

Волшебный полёт (Discogs)
magicfly-ussr

Волшебный полёт


彼は、フレンチポップのプリンスとして、1973年にソロ・シンガーとしてデビューしており、日本盤『ディディエ』もリリースされています。

ディディエ (Discogs)

1981年にスペースはソ連のテレビ番組でも放映されましたが、同年にバンドは解散。しかしマルアニは、1983年にDidier Marouani & Spaceという名義で、ソ連で合計21に渡るコンサートを行い、60万人以上の観客を動員する大成功を収めました。そのあたりは、ソ連の共産テクノにインスト中心のスペースディスコ的バンドが多いことにも影響したと思われます。

このツアーからの音源は、『Concert En URSS(ソ連でのコンサート)』としてリリースされました。ソ連崩壊後もロシア、ウクライナなどの旧ソ連諸国は、マルアニにとっての活躍の場となり、モスクワ市長の許可を受けて、モスクワの赤の広場でもコンサートをしています。

Concert En URSS (amazon.co.jp)
concertenurss

Concert En URSS


スペースのカヴァー

なお、スペースをリスペクトするミュージシャンとして、エレクトロクラッシュの時期に登場したFelix Da Housecatが「Magic Fly」のカヴァーをしています。

Magic Fly (SoundCloud)

スペースディスコ……あまり語られることがないジャンルですが、さらに調査を続行します。
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