マネープラン/50歳からのマネープランとお金の貯め方

多重債務110番!もっとも多い相談者は50代?

東京都などが実施した「多重債務110番」で、一番多い相談者の年代は50代、お金を借りた理由でもっとも多いのは「低収入・収入の減少」とか。イザというときの蓄えの重要性を再認識するとともに、50代で一度、マネープランの見直しを行いたいものです。 

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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相談者の平均年齢は50.4歳、平均債務額は832万円

多重債務相談者

多重債務の相談者は50代が多い

クレジットカード会社や消費者金融など複数の会社からお金を借りて返済ができなくなっている人を多重債務者といいます。東京都などが法律専門相談窓口等と連携して2015年3月に実施した「多重債務110番」の結果が発表されました。

相談者の平均像は…。
  • 平均年齢50.4歳
  • もっとも多いのは3社からの借り入れ
  • 1人あたりの平均債務額は832万円
  • 当初の借り入れ理由でもっとも多いのは「低収入・収入の減少」
もう少し詳しく見てみると、
  • 50代が30.4%でもっとも多く、次が40代の25.3%。40代と50代で半数強を占める
  • 借入先数は、3社がもっとも多く、次が5社、その次が同率で4社と6社
  • 1人あたりの平均債務額は、1000万円以上が27.8%、次が100万円以上300万円未満の26.6%、その次が300万円~500万円未満の16.5%、続いて100万円未満の15.2%
  • 当初の借り入れ理由でもっとも多いのは「低収入・収入の減少」の40.5%、次が「商品等購入」の19%、その次が「事業資金」の16.5%、続いて「住宅ローン」の12.7%

多重債務者には自治体の支援も

多重債務が原因で自殺に追い込まれることがないように、多くの自治体に多重債務相談窓口が設置されています。また2015年4月より、生活困窮者自立支援法が施行され、相談や住居確保、就労準備や訓練に国の予算が付けられています。

40代から50代は住宅ローンや教育費の支払いがかさむ時期。そこに追い打ちをかけるように、額面収入に変化がなくても社会保険料や税金の負担増により手取り収入が減る時代になっています。思いがけない失業や収入の減少に見舞われた場合、貯蓄が少ないと耐え切れず、転落しかねません。困ったときは、身動きが取れなくなる前に、相談したり、助けを求めたりすることも必要です。

50代でマネープランを見直そう

日頃から意識して、ある程度の蓄えをしておくことが重要ですね。よくわかっているけど、家計に余裕がないから貯蓄ができない…。そんな場合は、一度、上から目線で自分の家計を眺めてみてください。人間って、人の欠点や間違いは、よーく見えたりするものです。一方、自分のことになると思い込みやプライド、自分はこうありたいという理想にとらわれ過ぎて、わからないものです。

プロの相談者として家計相談にのっているつもりで、客観的に数字=金額で自分の家計を確認してみましょう。
  • 毎月の収入と支出の額は適切か
  • 教育費の負担や住宅ローンの返済はあとどれくらいあるか
  • 教育費や住宅ローンの負担がなくなった後、年間どれくらいの金額の余裕ができそうか
  • 楽観的にも、悲観的にもなり過ぎないとして、60歳までにいくら貯蓄できそうか
次に、自分自身に戻って、今後の生活を思い描いてみます。どんな生活をしたいか、何歳まで働くか、収入や手持ちの資金をどう使うか。

目の前の現実に追われているときこそ、将来を見通して、長期的な視点でお金をどう貯めて使うか、マネープランを立てたり見直したりすると、自分の取るべき行動がはっきりしてモチベーションが上がるものです。

「多重債務なんて自分には関係ない」と思った方も、50代に入ったら、マネープランの見直しはぜひ行ってくださいね。

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