そもそも、どのような企画にトップを登場させるべきなのか
トップ登場の必然性と納得感を意識することが大事
例えば、以下の場合が考えられます。
1. 新しい経営方針を打ち出したとき
2. 経営トップとして登場したとき
3. 重要な設備やシステム等が稼動するとき
4. 企業の社会的責任が問われるようなテーマのとき
5. 安全や環境といった人命に関わるような場合
6. 経営者の立場で一般社員に何かを要請しなければならないとき
7. 社員の意識変革を促すような場合
8. 人生観や仕事観など、人生の先輩としての言動が求められるような場合
特に、社長交代時には、新社長に関する記事は注目度がアップします。新社長への関心の高さは、去っていく旧社長の去就へのそれとは格段の差があります。新社長へ社員から質問を寄せ回答してもらうなど、タイミングを考慮しつつ、新社長の登場率を上げる方法を工夫し、早く新体制が軌道に乗るようバックアップをするのも、社内報としての大切な役割です。
但し、トップには、経営責任者としての役割に応じて発言してもらうことが大事です。「トップ登場」自体が目的になってしまうと、「何でこの記事に社長がでているの?」という本末転倒の事態を引き起こすこともあります。「ここはやっぱり社長の出番だよね」という読者が納得できるやり方でトップを登場させることが演出上でも大事です。会社とトップに対する社員の信頼度にも関わってきます。
トップ登場企画は双方向が効果的
次に、トップ登場企画の際の注意点を紹介します。トップをえらい人だと祭り上げるような取り上げ方はしないことです。読者が距離感を感じてしまうと、共感されなくなってしまいます。また、編集者の目線が経営者ではなく、社員の目線になっていることが大事です。理解されなければ、そもそも何も伝わりません。
経営者の真摯な言い方、考え方をきちんと披露し、それを社員がどのように受け止めたかもあわせて掲載すると効果的です。一方通行ではなく、双方向のやり取りがあるような載せ方をすると、経営者に対する信頼感も生まれてきます。
経営者が代わったとき、社員が知りたいことは、その人のものの考え方であり、人間性です。個性が感じられるような、人物像が表に出で来るような紹介のしかたを目指しましょう。そして、トップメッセージを掲載したあとが大事です。それをどう展開させ、社員一人ひとりが自分たちの問題として共有化できるようにするかが大切です。自分が何かを発信したら、それがどのように受け止められ、浸透しているか、経営者といえども知りたいし、気になるはずです。