退職を目前に控えたご夫婦の相談実例
■相談内容 【退職金の使い方について】
[相談者-専業主婦58歳、夫―会社員60歳]
今年の3月で夫が定年退職を迎えるのですが、退職金をどのように使うべきか悩んでいます。家の住宅ローンの返済は終わっています。今後の大きな支出の予定は、息子夫婦が今年マンションを購入する予定なので、頭金の一部として800万円を援助することとなっています。
そうすると、これまで蓄えてきた貯金と退職金を合わせて合計3,240万円から手持ち資金が2,440万円になります。夫は「定年後は贅沢な暮らしをするわけでもないし、年金もあるから大丈夫。先のことは定年した後にゆっくり考える」と言っていますが、私たち夫婦の老後の生活が不安です。
■アドバイス【セカンドライフのお金との付き合い方は「守る」ことがテーマです】
家計収支はご主人が63歳になって公的年金を満額受給できるまでの間、一部支給の老齢厚生年金と個人年金を合わせても収入は18万円、支出は約25万円なので、普通に生活をするだけで毎月7万円の赤字収支です。
奥様ご自身の老齢基礎年金(6.6万円/月額)が給付されるまでの5年間の赤字のトータルは約700万円になります。
この他に、車などの耐久財の買い替え費用、家のリフォーム費用や、将来、体の自由がきかなくなった場合の備えも経済的に準備しておく必要があります。
大きなお金が入るとその割り振りも大雑把になりがちですが、先々の計画を立ててお金の使途に優先順位づけと時間管理をしながらバランス良くお金を配分していくことが大切です。
また、今後の社会保険料の負担増加や給付の抑制、物価上昇で財産は年数が経過するにつれ預貯金で管理されている財産は目減りしていくこととなります。預貯金に預けておけば守れる時代ではありません。財産自体により効率良く安全に働いてもらうことも考えていきたいところです。
豊かな第二の人生を歩むためにお金と上手に付き合っていきたい |
外国の国債に投資する外国債券投資信託などで元本を極力維持しつつ、高配当の分配金で今後の生活費を補う資産運用。あるいは当面10年間の生活費の補填や万が一のお金は預金に置いて、残りのお金を分配金再投資型の株式投資信託で世界にも視野を広げて分散投資でリスクを低減し、じっくり育てる資産運用など、今後のライフプランに沿って最適な金融商品を選択したり、活用できる力を養うことにも視点をおいてください。