旧大山街道の宿場町は
今でも足回りの便利な場所
横浜市緑区、長津田エリアは旧大山街道の宿場町として栄えた街です。また、高低差に富み、自然も多く残っている場所で、春の取材時には玄関先で地元で掘立ての筍を売る姿もあったほど。
南口側では国道246号を超えたエリアで
計画人口1万人の新しい街が作られつつある
では、実際の長津田の街を見てみましょう。まず、かつての大山街道が走っていた南口ですが、降りたところにはバス停、タクシープールのあるロータリーがあり、さらにその外側では今後、段階的に駅前広場の拡張が行われる予定。これは南口から現在、宅地開発が進む長津田みなみ台に向かい道路の整備と併せて行われるもので、完成すれば駅前に乗り入れるバス路線の定時運行が可能になるほか、歩行者にも安全な街になるはず。完成予定は2016年度で、現在はやや寂しい状況ですが、いずれ便利になると思えばいいでしょう。
駅と国道246号の間にあるのが御幸通り。これが旧大山街道で駅との交差点周辺が旧長津田宿のあった場所ですが、現在ではそうした面影を残すものはほとんどありません。通り沿いには多少の商店がありますが、今ではさほど繁華というほどではありません。
北口側では2013年度に再開発ビルが完成、
駅前の風景が近代的に変化
では、反対側の北口を見てみましょう。北口側では2009年度から再開発が進められてきており、2013年度には再開発ビル、長津田マークタウンが完成。風景が一変しています。再開発ビル内にはスーパー、ドラッグストアなどのショッピング施設が揃うほか、ホールやギャラリーなどの設備を持つ緑区民文化センター みどりアートパークも作られており、地域の文化芸術活動の活性化が期待されています。
古い団地を狙えばお手頃価格、
新築建売一戸建ては4000万円以上
続いて東急田園都市線、横浜線長津田駅周辺の住宅価格を見ていきましょう。古い街で早くから開発が行われてきてはいるものの、駅から離れたところではそれなりに土地があり、長年活発に住宅供給が続けられてきた長津田ですが、現状では新築建売一戸建ては豊富なものの、新築マンションは一段落という感があります。そのため、新築マンションでは20~数十戸くらいまでの規模の物件は多少あるものの、2015年時点ではそれ以外はさほどでもない印象で、マンションで狙うなら中古が現実的でしょう。価格は駅から10分以内で2000年以降築の70平米前後として4000万円前後。もう少し古く、築30年誓うまでを視野に入れれば3000万円程度に下がります。もし、さらに古くても良いなら、築40年前後の団地という手も。近隣には古い団地が点在しており、60平米前後、1000万円台から探すことができます。ただし、団地の場合には70平米など広めの物件が少ないため、カップルでリノベーションをして住むなどのケース向きです。
ただし、北口側では大規模マンションのすぐ脇に広大なマンション用地が空地のままになっており、その近くには駐車場となっている場所も。いつとは明確に分かりませんが、いずれマンション建設が行われるはずですから、気になる人はウォッチし続けておくと良いかもしれません。また、南口側、駅の近くにも大きな駐車場があり、こちらも気になるところです。
新築建売一戸建ては今の豊富に供給されており、10棟前後あるいはそれ以上と棟数の多い現場が多いのが特徴です。土地区画整理事業内で分譲されている物件は地域の相場より高めで、土地面積160~200平米前後、建物面積100平米前後の4LDKで6000万円前後。それ以外であれば4000万円から5000万円の物件が中心です。また、一戸建ての場合、隣接する町田市成瀬の物件も多くなっており、どちらにするか、行政サービスその他を考えて選択すべきでしょう。
賃貸はワンルームマンションで6万円前後、2DKで8万円というところ。あまり古い物件が残っているわけでもないようで、駅から遠くても極端に安くなることはありません。駅から遠くなると商業施設などが少ないことを考えると、単身者であればできるだけ駅に近いところにしておくほうが生活しやすいのではないでしょうか。
北口に続き、南口側も変わり始めた長津田。のんびりした風情も残る街には歴史的な風物も多く残されていますから、時間的に余裕を持って訪れ、歩いてみると良いでしょう。