日本版だけの演出はある?ない?
続いて別室に移り、スコットさん、マイケルさん、アラジン・ジーニー・ジャスミン役(計6名)の合同インタビュー。以下は各社記者からのアトランダムな質問&回答です。(C)Marino Matsushima
スコット「私が最も面白いと思うのは、本作がすべての人にとって関心をもってもらえる作品であるということ。NYでは、ほとんどの人から“見たかったものが『アラジン』にはすべて入っている”と言われます。衣裳、照明、ダンス、音楽…。すべての要素が等しく素晴らしく、お金を払うだけのことがある、と皆さん満足されています」
マイケル「スコットの意見に同意しますが、それに加えて、全てのキャラクターの旅を楽しめるところが魅力なのでは、と思います。本作はアラジンのラブストーリーであり、ジーニーや他のキャラクターの物語でもある。それらを追ってゆき、グレート・ジャーニーができるのが素晴らしいと思います」
――日本版ならではのオリジナル演出はありますか?
スコット「あります。…でも、教えません(笑)。ブロードウェイ版にはない追加の部分がありますが、ここでは内緒です。ブロードウェイ版にも公表してはいけない部分があって、それは“ディズニー・マジック”と呼ばれていますが、ここでは“四季マジック”ということにしておきましょう。今回の日本版では、ブロードウェイ版の全ての要素プラス・モアがご覧になれますよ」
『アラジン』リハーサル(C) Marino Matsushima
スコット「それはお答えが簡単です。以前、僕は『コンタクト』でも演出補として来日したことがあり、その経験があるので、今回は来日がとても楽しみだったんです。どういう経験ができるかわかっていますからね。僕は劇団四季ほど、ショー作りの全てのプロセスに努力しているカンパニーは他のどこにもないと思っています。研究所があり、熱心な生徒がいて、施設も素晴らしい。いつもこの話題になると感激してしまう。アメージングなことです。間違いなくトップレベルのアーティストたちの集団です」
マイケル「同感です。彼らは誠実で率直で、一緒に作って成長していこうという姿勢がダンスにも演技にも溢れています」
――ブロードウェイ版ではジーニーのオリジナル・キャストが強烈でした。
スコット「間違いなくそうですね。彼が作り上げたものを再現するのは世界のどこであれ難しいと思います。今回は、もちろん基本形はありますから逸脱はできませんが、あくまで日本版のジーニーを、二人の才能あふれる俳優とともに作っていきます」
道口瑞之「私も稽古の初期段階はオリジナルの方をなぞる部分がありまして、オーディションで合格してから、一時は6キロも太りました(笑)。が、また少し戻りました。今はNYでもオリジナルの方ほどは大柄でない方がやっていて、それを拝見して“こういうジーニー像もある”と思いましたし、アニメ版の“本物のジーニー”像というものを僕がつかんで離さなければ、お客様に別の意味での驚きを与えられるのではないかなと信じて稽古をしています」
瀧山久志「多くの人が知っているキャラクターなのでプレッシャーはありますが、自分のできることを精いっぱいやっています。“楽しんでもらうこと”を離さないように、と思っています」
*次頁ではキャストそれぞれの抱負などをご紹介します!