のどかな里山風景が残る「子安の里」へ
「子安の里」へは、「湘南国際村」から南の方へのびる「子安の里通り」へと進みます。「子安の里通り」と並行して、左側に遊歩道が整備されているので、遊歩道を歩いて行きましょう。少し行くと、近代的な「湘南国際村」とは対照的な田園風景が、目の前に広がります。
遊歩道の階段を下りきると、左手に道が分かれるので、そちらへ進みます。すると、左手に、このあたり一帯を開拓した軽部(かるべ)家の「納屋門(なやもん)」が目に入ってきます。
軽部家の「納屋門」
ここから先は、里山の風景の中を歩いて行きます。しばらく行くと、道が交差する場所に出ますので、下記の写真で、藤本さんが指さしている、左のほうの道へ進みましょう。
左の方へ進みましょう
このあたりの道は、皇室の『葉山御用邸』が近いので、皇后様が散歩で歩かれたこともあるそうです。
道端には、野菜や花を売る無人スタンドが何ヶ所かあり、野菜も花も100円~200円くらいで売られています。私も思わず、菜っ葉を一束、買ってしまいました!
野菜や花を売るスタンド
「炭焼き小屋」の残る山里
更に少し歩いて行くと、木炭などが売られている無人の売店があり、その奥にあるのが「炭焼き小屋」。木炭や竹炭などが売られています
昔は、農作業のほか、町で売れる薪(たきぎ)や炭は、このあたりの人々の重要な生活の糧だったのだそうです。明治時代までは盛んに炭焼きが行われましたが、今残る「炭焼き小屋」は2軒のみ。
炭焼きの過程でできる「木酢液(もくさくえき)」は、防虫・防臭・アトピーなどに効くと言われ、ペットボトルに入れられて、木炭や竹炭などと一緒に売られています。
先へ進みましょう。見晴らしの良い場所で、遠くの山の上に、コーンに盛られたアイスクリームのような建造物が見えると思います。
三浦半島の最高峰「大楠山」
この山は、三浦半島の最高峰「大楠山」(おおぐすやま 標高242m)。そして、アイスクリームのような建物は、天気予報でお馴染みの『アメダス』の塔。
もう少し先へ行くと、三叉路に突き当たります。ここは、それぞれ、三崎道、鎌倉道、浦賀道の分かれ道。道端には10基の「庚申塔」と、1基の「百観音霊場供養塔」がまつられています。
立ち並ぶ「庚申塔」群
これらの「庚申塔」は、庚申信仰が盛んだった江戸時代の中頃から明治にかけて立てられたもの。
「庚申塔」には、「見ざる、聞かざる、言わざる」のいわゆる「三猿」が彫られることが多いですが、ここには、珍しい、「御幣(ごへい)」をかついだ一猿が彫られた「庚申塔」がありますので、見つけてみてください。
次のページでは、優しげな表情の『子安観音』との出会いが!