ちょっとした“好み”の差でモデルから変えられる
ありとあらゆるカテゴリーのクルマをショウケースに並べておく。その昔は日本のメーカーの専売特許で、売れないクルマばかりを並べては新型車登場と自慢ばかりしていたもの。その頃のBMWといえば、3と5と7のセダンモデルを核として、せいぜいワゴンかクーペ、オープン、そして“M”があった程度で、ZモデルやXモデルが誕生したときには、大いに驚かされたものだった。それが、どうだ。今やXモデルは、1、3、5と大中小の軸を揃え、しかもよく売れていて立派な中核ラインアップに。それぞれ軸のパイが大きくなってくると、こんどはその隙間=ニッチを、埋めたくなる=メーカー、埋めてほしくなる=ユーザー、もの。既存のセダンモデル群でも、2や4や6といったスポーツ系が存在するように、Xモデルにも、既にX6というクロスオーバークーペがあったりする。
2Lターボを積むxドライブ28i(674万円)とxドライブ28i Mスポーツ(705万円)、3Lターボのxドライブ35i(763万円)とxドライブ35i Mスポーツ(790 万円 写真)をラインナップ
少なくとも、X4シリーズの周辺には、X3はもとより、たとえば3シリーズGTのような他領域のニッチモデルもあるわけで、ちょっとした“好み”の差次第でグレードではなくモデルそのものが変わってしまうという贅沢な現実に、国産ブランドの多品種展開時代をよく知る筆者も、少々たじろいでしまう。