BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

BMW X4試乗 キャラも走りも“個性的”

ラインナップの充実で、ちょっとした“好み”の差次第でグレードではなくモデルそのものが選べるようになったBMW。そこに登場した、X3の4ドアクーペ版というべきX4。見た目はX6の弟分、走り出してみれば……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ちょっとした“好み”の差でモデルから変えられる

BMW X4

X6のコンセプトを受け継いだ、クーペフォルムのクロスオーバーSUV。ミドルクラス初の“スポーツ・アクティビティ・クーペ”

ありとあらゆるカテゴリーのクルマをショウケースに並べておく。その昔は日本のメーカーの専売特許で、売れないクルマばかりを並べては新型車登場と自慢ばかりしていたもの。その頃のBMWといえば、3と5と7のセダンモデルを核として、せいぜいワゴンかクーペ、オープン、そして“M”があった程度で、ZモデルやXモデルが誕生したときには、大いに驚かされたものだった。

それが、どうだ。今やXモデルは、1、3、5と大中小の軸を揃え、しかもよく売れていて立派な中核ラインアップに。それぞれ軸のパイが大きくなってくると、こんどはその隙間=ニッチを、埋めたくなる=メーカー、埋めてほしくなる=ユーザー、もの。既存のセダンモデル群でも、2や4や6といったスポーツ系が存在するように、Xモデルにも、既にX6というクロスオーバークーペがあったりする。
BMW X4

2Lターボを積むxドライブ28i(674万円)とxドライブ28i Mスポーツ(705万円)、3Lターボのxドライブ35i(763万円)とxドライブ35i Mスポーツ(790 万円 写真)をラインナップ

だから、X3の4ドアクーペ版というべきX4が出ても、もはや何の驚きもなかった。むしろ、このクルマをどこかの誰かが本当に望んでいたのか? と、ここにきてはじめてBMWのニッチ埋め戦略に首をかしげたほどだ。需要を新商品で喚起することはメーカーの役目であるけれど、ここまでバリエーションが広がってくると、買う方も、そして売る方だって、きっと戸惑うんじゃないか。そう思ったからだ。

少なくとも、X4シリーズの周辺には、X3はもとより、たとえば3シリーズGTのような他領域のニッチモデルもあるわけで、ちょっとした“好み”の差次第でグレードではなくモデルそのものが変わってしまうという贅沢な現実に、国産ブランドの多品種展開時代をよく知る筆者も、少々たじろいでしまう。
BMW X4

MスポーツはBMW M社が開発した専用装備を内外装に装着。よりスポーティな走りのスポーツ・サスペンションも備わった

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます