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プ女子も萌える飯伏幸太のプロレスの原点(2ページ目)

ここ最近、プロレス会場で目立っているのが女性ファンの急増です。そんなプ女子(プロレス女子)の注目の的になっているのが飯伏幸太(32歳)です。DDTと新日本プロレスのダブル所属という形でインディーとメジャーの垣根を越え、華麗な空中殺法とスラリとした筋肉美でプ女子を萌えさせる一方ではコアな男性マニアをも燃えさせる飯伏はまさに現代プロレス界の革命児。その凄さ、プロレスラーとしてのルーツに迫りましょう。

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

プロレスガイド

小学生で空中殺法をマスター!中学生で必殺技を開発!!

華麗なる空中殺法だけでなく、打撃も、従来のプロレスの技も何でもこなす万能派の飯伏がプロレスにハマッたのは小学校5年の時でした。きっかけは兄が借りてきた新日本プロレスのビデオです。

見るだけでなく自分でやってみたくなった飯伏は、仲良し4人組で鹿児島四天王(鹿児島県姶良出身のため)を結成して教室、体育館、校庭でプロレスごっこに熱中したといいます。飯伏の凄いところは、小学生の時点で「プロレスの魅力は受けだなと思いました」という点です。プロレスごっこを通して「受けることができなければプロレスラーにはなれない」と思ったというのです。

運動神経抜群の飯伏はバク転やバク宙をマスターすることによってムーンサルト・プレスやファイヤーバード・スプラッシュ、フェニックス・スプラッシュなどの高度な空中殺法をマスター、中学に入るとプロレスごっこ仲間と海岸にお手製のリングを作って練習に明け暮れることに。2009年8月23日のDDT両国国技館初進出のメーンイベントで初公開してHARASHIMAを撃破したフェニックス・プレックス・ホールドは、すでにこの中学時代に開発していた技でした。また関節技にも興味を持ち、UWFスタイルに専念した時期もあったとか…。

中学卒業後、プロレスラーになろうとした飯伏でしたが母親の反対で断念。高校卒業後は上京して成田空港で働いていましたが、この時期にはキックボクシングを始めます。「もしもプロレスラーになったとしたら、キックボクサーと闘う時に役に立つ」というのが始めた理由ということは、一度は断念しながらも心の片隅にはプロレスラーになりたいという気持ちがあり、異種格闘技戦まで想定していたことになります。

そして03年7月のK-2大会に優勝した飯伏はキックを辞めて、いよいよプロレスラーになることを決意。「プロレスラーになることが夢だったんだから、なれれば満足。デビューした日に引退しよう」と心に決めていた飯伏でしたが、デビューしたら楽し過ぎで辞められなかったといいます。気付けば04年7月1日にデビューしてから10年以上の月日が流れました。

「プロレスを楽しむ」というのが飯伏の姿勢。キャンプ場、本屋、商店街、工場……常識では考えられない場所でプロレスをやってしまうのも、プロになってから学生プロレスに出場したのも、新日本とのダブル所属になってからも人形(?)のヨシヒコ相手にKO-D王座防衛戦をやってしまうのも、プロレスを楽しみたいから。そして今でもOPG(俺たちプロレス軍団)というプロレスごっこ団体の千葉支部のリングで練習しています。

飯伏にとってインディー、メジャー、学生プロレス、アマチュア・プロレスという垣根はなく、心のおもむくままにプロレスを満喫しているのです。そう、飯伏の根っこに息づいているのは小5から始めたプロレスごっこなのです。
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