南米の常備茶「マテ」 ミネラルやビタミン補給にも!
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鉄分を多く含むという赤土に育つマテ (画像提供:AICHI URUGUAY S.A.)
南米のお茶というと、何はともあれ「マテ茶」でしょう。パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンなど、南米の国では、大人から子供まで広く親しまれています。
これらの国では、野菜やその他の食材からのみでは足りない栄養素の補給としての役割も大きいようです。カルシウム、カリウム、マグネ シウムなどのミネラルやビタミン類も含まれており、”飲むサラダ”とも呼ばれるほど。コーヒーや紅茶と比べると、量は少ないですが、カフェインを含む点も 特徴のひとつ。
マテ茶は、主にグリーンとローストの2種類。グリーンは、マテという木から葉や茎を摘んで、軽く火にあぶって乾燥させ、砕いて作られます。出来上がったマテ茶は1~2年くらい寝かせてから出荷。ローストは、茶葉を炒って香ばしく仕上げたものとなります。
■マテ茶
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マテ茶 グリーン。 1~2年寝かしてから出荷。味もまろやかになるとか
学名:イェルバ・マテ Ilex paraguayensis
科名: モチノキ科
使用部位: 主として葉
作用など特長: ミネラル補給、抗酸化作用、利尿作用、血行促進、体力増強など
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大容量500g入りパックも当たり前。南米では一人で一日に20~25gものマテ茶を消費するとか
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AICHI URUGUAY S.A. 加藤社長 自分用のマテ茶専用器で一日中マテ茶を愛飲
パラグアイなど南米ではとても多くの人がマテ茶を飲んでいるそうです。
いったいどれくらいの量を飲んでいるかとても気になります。
「パラグアイの例でいうと、国民一人当たりは一年で約7.5kgのマテ茶を消費しています。」と加藤さん。「マテ茶専用容器にはだいたい20~25gをいれますが、それを一日中お湯を継ぎ足して飲み続けます。一年にするとだいたい7.5kgとなるんです。それは、水分補給でもありますが、栄養補給にもなります。朝から夕方まで、食事のとき以外、いつでも好きな時にマテ茶を飲みます。」
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手前は牛の角から作られたマテ茶容器
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マテ茶専用容器 銀をあしらった容器や、皮を巻き付けたものも
マテ茶専用容器は、牛の角からできたグァンパとか、木製のマテーロがよく用いられており、ボンビージャという先端が茶こし機能をもつストローを使ってマテ茶の浸出液が飲まれるそう。
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いつもかたわらにマテ茶 (画像提供:AICHI URUGUAY S.A.)
しかし、いつでもマテ茶を飲むためにはお湯が必要だと思いますが、南米の人たちはどうしているのでしょう。加藤さんは、「多くの人がマイポットにお湯を入れて持ち歩いています。それでいつでもマテ茶を入れるんですよ。オフィス、レストラン、飛行機など様々な場所でマテ茶専用容器とお湯の入ったポットが写っているでしょう。」と写真(上)を見せてくれました。
さて、日本で私たちがマテ茶を飲む場合、専用器までそろえるのはなかなか難しいもの。そこで、日本の一般的な道具を使ってマテ茶を飲む方法、飲み方についてご紹介します。
マテ茶の入れ方 (ティーカップ1杯分)
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いきなり熱湯で入れるのはNG 苦くなってお茶が台無しに
マテ茶を茶こし付きのティーポットに約3gいれ、70度くらいの湯を注ぎ1分浸出させたら、ティーカップに注ぎます。
(わかりやすく言うと、煎茶を入れるような感じでマテ茶を入れるようなことです。)
同じ茶葉で二煎目、三煎目までいれることが可能。注ぐお湯の温度をだんだんと上げ、浸出時間も少しずつ長くするのがポイント。三煎目が少し薄いと感じたら、四煎目は沸騰したての熱湯を注いで3分くらいでいれてみてください。最後の最後までマテの風味を引き出せると思います。
※南米では、マテ茶専用の容器を使って飲まれますが、日本では一般的ではないため、ここではティーポットを使って入れる方法をご紹介しています。
日本では、ティーバッグ入りマテ茶もあるので手軽に利用できるし、市販のティーフィルターに茶葉を入れて用いてもよいでしょう。あるいは、マテーロとボンビージャで本格派南米スタイルで飲むのもいいですね。
■取材協力 AICHI URUGUAY S.A.