子どもの気持ちに寄り添う、って具体的にどうすればいいの?
「子供の心に寄り添いましょう」ってよく聞くけれど、具体的にどう関わればいいの?
親は子育ての話を聞いたり、本を読んだり……と、愛おしい我が子の幸せを願い、さまざまな子育て法に敏感になるのではないでしょうか。そのようなとき、必ずと言ってもいいほど出てくる「子供の心に寄り添いながら……しましょう」というフレーズ。一度は耳にしたことがあると思います。
でも、「心に寄り添う」と言っても、どのように接して、どんな言葉をかければ良いのでしょうか……。日常生活の中で、具体的な事例をもとに子供の心に寄り添っていく関わり方を5段階のステップで考えてみましょう。
矢継ぎ早な質問は、子供の心を閉ざす
子供が学校から帰ってきた時、涙を流していたら、心配なあまり、「どうして泣いているの?」「何があったの?」「涙が出てるじゃない!」と質問攻めにすることはないでしょうか。親は子供のことを心配し、矢継ぎ早に声をかけると、子供は話したくとも、余計に心を閉ざしてしまいます。……とは言うものの、親は気にせずにはいられませんね。何があったのか、どのような気持ちなのか、子供が話してくれればいいのですが、なかなか話してはくれないことが多いです。このようなときは、子供の心に寄り添いながら、少しずつ気持ちを引き出していってあげてください。次に日常生活に落とし込んだ心に寄り添う関わり方を5段階のステップでお伝えします。
子どもの気持ちに寄り添うす5段階のステップ
ステップ1: 今の事実だけを告げる子供の方を見て、「涙がでているようだけど……」とその事実だけを言いましょう。これは「親が自分に関心を持ってくれている」ということを子供に感じさせます。
ステップ2: 「はい」「いいえ」で答えられる質問をする
次に、「お友だちとケンカしたの?」「先生に叱られたの?」など、「はい」「いいえ」で答えられる質問をそっと投げかけてみましょう。これは、コミュ二ケーションの糸口を作るために、親の投げかけた言葉に対し、答えやすいような質問をします。
子供からの答えは言葉で返ってこず、首を縦に振る、もしくは横に振るだけかもしれませんが、これでも非言語のコミュ二ケーションが充分成立しています。
ステップ3: 実際にあった出来事だけを尋ねる
そして「お友だちと、どのようにしてケンカになったの?」「何故、先生はあなたに注意をしたの?」と、出来事だけを答えられるように尋ねます。ここで子供が自分自身の言葉を使って話すきっかけを作ります。
状況がうまく話せなかったり、単語程度の言葉しか返ってこなかったりする場合もあり、親としては少々歯がゆく感じることもあるかもしれませんが、そこは、きちんと説明できなくても、かまいません。大切なことは、子どもが親を信頼し、話しをするということです。
ステップ4: 気持ちを尋ねる
「それで、あなたはどう思ったの?」「どのような気持だったの?」と、子供の心情や今抱いている気持ちを話すように言葉をかけます。ここから少しずつ子供の心の内面に近づいていきます。
ステップ5: 共感する
子供がどのような気持ちを訴えても、親は一旦それを受け入れてあげましょう。子供が「悔しい」と言えば「悔しかったのね」と、「悲しい」と言えば「悲しかったのね」と応じてあげることが大切です。
そこから子供は「お母さんは、分かってくれている」と実感し、親への信頼が深まります。このようにして子供の心に寄り添っていきながら、少しずつ気持ちを引き出していってあげてください。
もし指導的関わりが必要な場合は、感情を受け入れた後にする
途中で「それはあなたが○○したから、お友だちとケンカになったのでしょう」または「あなたが△△だったから、先生が注意したのでしょう」となどは、言わないようにしましょう。もし指導的な言葉がけや関わりを必要とする場合は、まずは子供の感情を受け入れ、「親は自分を認めてくれている、理解してくれている」ということが伝わり、信頼関係を深め、それから後にすることがポイントです。
子供の心に寄り添いながら、気持ちを引き出していくときは、是非この5段階のステップを参考にしてみてください。
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