旅するシェフのレストラン『ワンダーキッチン』
『旧安保小児科医院』手前の路地を先の方へ歩いて行くと、狭い路地に沿って、お蕎麦屋さんやラーメン屋さんなど、いろいろなお店があるのに驚きます。今回、おじゃまする『ワンダーキッチン』は、今、歩いている路地から、更に別の路地の先にある、まさに隠れ家スポット的なレストラン・カフェ。
お店へと続く路地の入口には、小さな靴下屋さんと、フラミンゴの看板がおいてあるので、これが目印になります。
『ワンダーキッチン』外観
このお店で、フレンチの技法をエッセンスにちりばめ、世界各地の家庭料理、いわば「おふくろの味」を提供するのは、オーナーシェフの黒澤さん。
世界の国を旅していると、独特な風味に遭遇することが、よくありますが、フレンチの技法をちょっと加えることで、多くの人が口にした時、「美味しい」と思える味に近づくのだそうです。
『ワンダーキッチン』一階
黒澤さんが料理に最初に興味を持ったのは、学生時代。当時は、フレンチの公開されたレシピが数少なく、雑誌などを読みあさって情報を集め、料理への興味を募らせました。
某通信社に勤務するかたわら、さらに料理への探求は続き、独立時には、勤務していたその会社の退職金350万円をすべて費やし、当時、東京にあった主たるフランス料理店を食べ歩くことで、メニュー構成、マナー、給仕の仕方、代表的なレシピなどを自力で学ぼうと無謀とも思える挑戦をしたこともありました。
小学校の名物先生のお宅だった建物をリノベーション。写真はお手洗(バスルーム)室内。インテリアに合うバスタブを設置するなど、ここにもこだわりが。
その後、ご自身が、「旅するシェフ」とおっしゃるように、国内外の様々な場所で、レストランや食に関する企画プロデュースを手がけた後、永い旅路の果てに、ようやくたどり着いたのが、鎌倉という土地だったそうです。
こうして、2006年、鎌倉・長谷にオープンした『ワンダーキッチン』は、各種メディアで紹介され、人気店に。しかし、2年弱でいったん閉店し、伝説の店としてその名を残しました。
その数年後に、現在地に復活したのが、今のお店です。
おすすめ料理のカレー。写真は、「チキン コリバタカレー」(税込み1000円、サラダ付き)
『ワンダーキッチン』の「ワンダー」は、日本語に直訳すれば「さまよう」ですが、これには、「料理を食べたお客さんの興味や意識が広がりをもって、自由にさまようきっかけの場となって欲しい」、そんな気持ちが込められているのだとか。
シェフであるとともに、ミュージシャン、詩人、デザイナー、文筆家など、様々な顔を持つ黒澤さんが、様々な世界をさまよい、遊び、集めてきたエキスを、ギューっと凝縮したお店、それが、この『ワンダーキッチン』なのでは? と、感じました。
部屋ごとに雰囲気の異なる3つのスペースを楽しむことができます。こちらは二階
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■ワンダーキッチン
住所:鎌倉市御成町10-15
電話: 0467-61-4751
営業時間:12:00~20:00(19:30 L.O.)
定休日:年末年始など(お店へ直接、お問い合わせください)
ホームページ → http://wanderkitchen.net/
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