子供が下品な言葉を叫ぶ…「うんこ」は子どもにとってマジカルワード
得意気に叫ばれると、親としてはトホホ……。
ではここで、子どもの気持ちになってみましょう。
覚えたての言葉を叫んだら、親があわてふためく。
……楽しいです。
周りの大人は、吹き出したり、にこにこと自分に注目したりする。
……楽しいです。ヒーローになった気分になるかもしれません。
時には親にこっぴどく叱られることでしょう。でも、どうしてダメなのかは、よくわかりません。たとえ叱られたとしても、親の関心を引くことができる。やめられません。
「うんこ」「ちんこ」と叫びたがるお年頃というのは、おおむね3歳前後だと言われています。この時期は、子どもにとってどのような時期なのでしょうか。
「うんこ」から「ちんこ」へ
精神分析学者のフロイトは、おおむね2歳から4歳頃を「肛門期」と名付けました。3歳頃におむつが外れる子どもが多いかと思いますが、この頃は子どもが排泄をコントロールできるようになる時期です。排泄の快感を知るとともに、適切にトイレで排泄できたという「成功体験」は、子どもの自信にも繋がっていきます。つまり「うんこ」は、この時期の子どもの関心分野なのです。「肛門期」を過ぎると、おおむね3歳から6歳頃に「男根期」に入ります。この頃になると、性別によって性器の形が違うことに気付きます。男の子が自分のペニスをいじったり、女の子が「わたしのおちんちんはいつ生えてくるの?」と大人に聞くのもこの頃です。「うんこ」から「ちんこ」へと子どもの関心が移ったら、順調に発達しているなあと思っておきましょう。
基本姿勢は「だから、なに?」
からだ教育も性教育も、親の価値観が問われます。
肛門や性器は「きたないもの」でも「恥ずかしいもの」でもありません。せっかく自分のからだに関心が向いているのです。子どもの興味を前向きに受け止めて「からだ教育」や「性教育」のチャンスにしてしまいましょう。
「うんぴ・うんにょ・うんち・うんご」は、語感の面白さから子どもに大人気の絵本です。健康のバロメーターとして「うんこ」を捉える目線が育ちます。
筆者の子どもは「人体絵本」を愛読書にしていました。からだの仕組みを知ることは、自分のからだを大切にすることや、健康管理の意識にも繋がります。
性教育の絵本も、さりげなく子どもの本棚に入れておくと、勝手に読んで学習してくれます。自分がどうやって生まれてきたのかというのは、どの子も興味があるからです。弟や妹が生まれたり、周りに妊婦さんがいたりする時も、性教育のチャンスです。
子どもの性器いじりが気になる時は
性器に関心が向く時期、自分のからだの一部を触ってみたら気持ちよかった。だから触ってみる、というのは、当然の行動です。しかし、いくら子どもとはいえ、公衆の面前で股間は触ってほしくないものですよね。ですから、そんな時は、性器いじりを禁止するのではなく「プライベートゾーン」について教えましょう。プライベートゾーンというのは、「水着で隠れるところ」のことです。
肛門、性器、胸といった部位は、傷つきやすい大切なところだから、
- プライベートゾーンを触ってこようとする人がいたら「いやだ」と言っていい。
- プライベートゾーンを無理やり触られたら、信頼できる大人に言おう。
- 他人のプライベートゾーンは触ってはいけない。
- 自分のプライベートゾーンに自分で触るのはOKだけど、ひとりの時に触ろう。
これらは、性的ないじめや、性被害を防ぐ教育にもなりますし、自分のからだにタブーの領域を作らないことは、子どもの自己肯定感につながります。
「ちんちんがない」と言う女の子には、「ちんちんはないけれど、まんまんがあるね」というふうに言ってあげると、自分のからだに欠損感や劣等感を感じなくて済むようです。
【関連記事】