100年店ランチ/東京の100年店ランチ

おつな寿司(すし/六本木/創業1875年)

店の名を有名にしたのは初代考案の「いなりずし」……今回は六本木のすし店「おつな寿司」をご案内します。

菅野 夕霧

執筆者:菅野 夕霧

100年店ランチガイド

六本木交差点からすぐ近くの「おつな寿司」

仮店舗営業中の同店

仮店舗営業中の同店

大型のオフィスビルや飲食店が密集する六本木。そんな六本木交差点からほど近い立地にすし店「おつな寿司」があります。

以前は有名な「ホテルアイビス六本木」の共同ビル1階に店を構えていましたが、2013年の年末にホテルが閉館となり一帯は解体工事中です。現在のおつな寿司は同じ一画ではありますが、外苑東通りならびに六本木通りから少し奥へ移動し、仮店舗営業を行っています(2年後にはまた戻る予定)。

創業は1875年(明治8年)

外苑東通りに面していた旧店舗

外苑東通りに面していた旧店舗

おつな寿司の創業は1875(明治8)年のこと。店名のおつなとは、初代の近藤つなさんの名前から。当時は茶店からスタートしその後すし店へと変わり今に至っています。栄枯盛衰、店の入れ替わりが激しい六本木界隈では、屈指の老舗飲食店ですね。そんな同店の生まれた1875年とは、どんな時代背景だったのでしょうか……。

この年、平民には「名字」を必要とする命令が下ります。武士など一部の階級しかなかった名字。明治に入ってもしばらく広く一般の人たちには「下の名前」しかなかったんですね。その他、国産マッチの製造開始、東京の主要道路にガスランプの街燈設置などの史実があるこの年、同店もその歩みを始めています。

では、六本木の老舗飲食店へと参りましょう。
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