PR
医療情報・ニュース/健康医療トリビア・豆知識

グレープフルーツと薬、気になる飲み合わせ(2ページ目)

「おいしくて、ヘルシー」と人気を集めるグレープフルーツ。一部の薬と相性がよくないといわれていますが、実際その真相は? ここでは、気になる薬との飲み合わせを解説していきましょう。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド


なぜ、一部の薬と相性が悪いの?

薬

薬によっては注意が必要

人の体は、本来体内にないものを肝臓で無毒化しようとします。薬も主に肝臓で代謝され、腎臓を経由して尿として排出されます。

ここからちょっと専門的なお話になりますが、肝臓には「CYP3A4」という酵素が含まれており、この酵素によって薬物は代謝されます。一方、グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分は、体内でこのCYP3A4という酵素の働きを抑制してしまいます。

すると、薬がいつまでも代謝されないため効果が残ってしまい、本来の効果より強く出てしまう―――そして、体内に有害反応として副作用を起こすわけです。

ただし、よくある誤解ですが「風邪薬や頭痛薬など、あらゆる薬と相性が悪い」わけではなく、グレープフルーツが影響を与えてしまう薬はほんの一部。ほとんどの薬はまったく影響がありません。

グレープフルーツの影響を受ける薬・受けない薬

影響を受ける薬は、主に心臓や血管、脳の病気に使用するものですが、その中でも大丈夫なものがあるので、紹介していきましょう。以下に、わかりやすくまとめました。

■影響を受ける高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬)
ニカルジピン、フェロジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン

■影響を受けない高血圧治療薬(カルシウム拮抗薬)
アムロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル
___

■影響を受ける抗不整脈薬
アミオダロン

■影響を受けない抗不整脈薬
ドフェチリド
___

■影響を受ける脂質異常症治療薬
ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン

■影響を受けない脂質異常症治療薬
プラバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン
___

■影響を受ける抗不安薬
ブスピロン

■影響を受けない抗不安薬
アルプラゾラム、ロラゼパム
___

■影響を受ける抗不安薬・抗けいれん薬・催眠鎮静薬
ジアゼパム

■影響を受けない抗不安薬・抗けいれん薬・催眠鎮静薬
クロナゼパム
___

■影響を受ける睡眠導入剤
トリアゾラム

■影響を受けない睡眠導入剤
ゾルピデム、ロラゼパム
___

■影響を受ける抗てんかん薬
カルバマゼピン

■影響を受けない抗てんかん薬
フェニトイン、クロナゼパム

上記の情報をきちんと把握していなくても、大丈夫。医師や薬剤師に「グレープフルーツを食べても大丈夫な薬、ありますか?」と聞いてみてください。影響のないものを紹介してくれるはずです。

取材協力:フロリダ州政府柑橘局
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項
  • 前のページへ
  • 1
  • 2

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます