相続・相続税/贈与税の計算・申告・納税方法

贈与契約書の雛形(書式)と書き方

贈与契約書の書き方と雛形(ひな形)をまとめました。財産を「あげる」「もらう」は、口約束だけでは後にトラブルになることがあります。第三者にしっかり説明できるように、贈与契約書を作成しておくほうが良いでしょう。

小野 修

執筆者:小野 修

相続・相続税ガイド

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贈与契約書は後々のトラブルを防ぐのに役立つ

贈与を証明する書面として「贈与契約書」を残すことで安心。

贈与を証明する書面として「贈与契約書」を残すと安心

相続税の増税の影響から、生前贈与による相続税対策が盛んに行われるようになりました。贈与は口頭でもできる契約ですが、後で言った言わないのトラブルになることもあるため、「贈与契約書」として書面にしておくことが望ましいです。

この贈与契約書は、贈与があったことを第三者にしっかりと証明するものです。その作成目的は、「当事者間で後にトラブルにならないように」「法務局に対して、不動産を贈与したことを証するため」「税務署に対する贈与税の計算根拠」といったものがほとんどです。

贈与を認められないと相続税に影響が

例えば、祖父が孫3人に過去10年間、110万円ずつ現金を贈与していたところ、祖父に相続が発生したとします(贈与税の申告・納税なし)。

贈与した計3300万円には相続税はかからないはずです。しかし税務署はこの贈与自体が契約されたものではなく、単に「名義財産」ではないかと疑います。名義財産であれば相続税がかかるからです。

贈与の事実を第三者に説明するため、「贈与契約書」は贈与の証拠の一つとして有効です。

贈与契約書の書き方のポイント

ポイントは次のとおりです。簡単なようで難しい点もありますので、しっかりと確認しましょう。

●「いつ」「誰から誰に」「何を」贈与したかを明確にする
●贈与者、受贈者ともに「住所」「氏名(署名が望ましい)」「印鑑(認印可だが実印が望ましい)」を記載
●不動産を贈与する場合は、対象物件の「住所」ではなく「所在・地番」を書く
●不動産の贈与契約書には200円の収入印紙が必要
●不動産の贈与契約書の場合の贈与者の印鑑は実印
●受贈者が未成年の場合の受贈者の氏名には、受贈者名と受贈者の親権者名を併記する
●過去にさかのぼって作成したと疑われないように、公証役場で「確定日付」をもらうとなお良い

贈与契約書の雛形:現金の単純贈与

まずは現金の単純贈与の記載例です。以下のテキストをWordなどにコピー&ペーストして使うと良いでしょう。レイアウトは画像を参考にしてください。
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贈与契約書の書式(現金の単純贈与の場合)

贈与契約書の書式(現金の単純贈与の場合)

贈与契約書

贈与者○○太郎を甲とし、受贈者○○一郎を乙として、甲乙間において次の通り贈与契約を締結した。

第1条 甲は、乙に対して、現金120万円を贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第2条 甲は、当該財産を平成27年4月1日までに乙の指定口座に振り込むものとする。

上記契約を証するため本書を2通作成し、甲乙各1通を保有する。

平成27年3月25日

贈与者(甲) 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 太郎  印
受贈者(乙) 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 一郎  印
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贈与契約書の雛形:不動産の贈与、かつ受贈者が未成年

祖父が太郎、子が一郎、子の妻が花子、孫が二郎とします。こちらも、以下のテキストをWordなどにコピー&ペーストして使うと良いでしょう。レイアウトは画像を参考にしてください。
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贈与契約書の書式(不動産の贈与、かつ受贈者が未成年)

贈与契約書の書式(不動産の贈与、かつ受贈者が未成年)

贈与契約書

贈与者○○太郎を甲とし、受贈者○○二郎を乙として、甲乙間において次の通り贈与契約を締結した。

第1条 甲は、甲の所有する下記の財産を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。

(1)土地
所在 ○○市○○一丁目
地番 123番1
地目 宅地
地積 543.21平米
持分 10分の1

(2)建物
所在 ○○市○○一丁目123番地1
家屋番号 123番1の1
種類 居宅
構造 木造瓦葺平家建
床面積 123.45平米

第2条 甲は、当該財産を平成27年4月1日までに乙に引き渡すものとする。

上記契約を証するため本書を2通作成し、甲乙各1通を保有する。

平成27年3月25日

贈与者(甲) 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 太郎  印
受贈者(乙) 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 二郎
受贈者の親権者 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 一郎  印
受贈者の親権者 住所 ○○○○○○○○
氏名 ○○ 花子  印
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贈与契約書の作成は専門家に依頼する手も

生前贈与対策の際には、単に贈与の実行だけでなく、書面として贈与契約書を作成し、特に第三者に対してしっかりと説明できるようにしておくことが大切です。

なお、単純な贈与ではない場合の贈与契約書の作成は、専門家に作成を依頼するほうが安心です。

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