誤解7. 子育て支援には待機児童ゼロのほうが大事だからこれはムダでしょ?
この種類の誤解も多いようですが、待機児童ゼロを目指して、保育所や幼稚園の充実を図る取り組みを止めた、って誰が言ったのでしょうか? むしろそちらも今より充実を目指してます。両方とも大事なテーマですし、どちらかを止めてどちらかをやる、という話ではないはずです。現在よりおよそ1割増、26万人の保育サービス拡充の計画が厚生労働省では議論されています。現状維持でも減らすわけでもありません。今年度は5万人の定員増を予定していますが、これは前年度の2倍です。最終的には、保育園に入れないから専業主婦でもいいかな、と思う人がゼロになること(つまり、今の希望者を解消するだけでなく)を目指しています。
お金を出すから、保育所充実はやめました、というのなら批判も分かりますが、見当違いの批判はしないでほしいと思います。
子ども手当は「いいバラマキ」かもしれない!
子ども手当について議論すべき適切な話題としては「金額水準が必要な目的にかなうものか」とか「不正受給が行われないためにどのような方策が考えられるか」でしょう。よく国内在住の外国人が本国にある子の子ども手当を請求しているというゴシップがありますが、本来の給付の原則は「子どもを監護し生計を同じくしている」ことです。もちろん偽装受取をチェックすることは必要ですが、本来対象となる普通の親子が99.9%以上ではないのでしょうか?(また、制度のベースとなった児童手当でも、以前から海外に居住する子にも支払われていたため、今回除外が難しかったことも指摘しておきます)
また、親のない子については子ども手当と同額の支給を行われることが決まっています(安心子ども基金から)。これも、もともと制度のベースとなっている児童手当が対象外となっていたということを忘れて批判するのは見当違いです。
思うのですが、子ども手当は「バラマキでも、良いバラマキ」なのではないでしょうか? 実際にお金がかかり、子育てをすると貧困が拡大する層に対して、現金をばらまくことはそれほどおかしいことでしょうか?
これから、実際に子ども手当をもらう、普通の子育て世帯が「もらっちゃ悪いのかな……」と後ろめたい気分になって給付を受けることは、あってはならないことだと思います。むしろ正々堂々と、子ども手当をもらい、自由に使っていただければと思います。