インテリア照明/ダウンライト・スポットライト

空間の印象を変える壁面照明

壁面は、通常の視点で視界に入りやすいため空間の見え方や雰囲気に大きく影響します。壁面を照明するウォールウォッシャー器具や、スポットライトで効果的に照明する方法をご紹介しています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

美術館のような雰囲気を演出

図1.ウォールウォッシャ器具の配灯位置

図1.ウォールウォッシャ器具の配灯位置

以前、ダウンライトの一種で、壁全体を光で洗い流すように均一で明るくするウォールウォッシャ器具を紹介いたしました。壁面を明るく見せることで空間に広がりと、演出次第では奥行きや高級感を高めることができます。

住宅におけるウォールウォッシャ器具は、器種にもよりますが、一般的に壁面からの距離(図1:D)を80cm前後とり、器具の間隔(図1:S)をその1~1,2倍程度で配置します。

壁面は正常視点で最も目に入りやすい面といえます。また壁面の面積は床や天井面に比べ部屋の大きさにもよりますが、およそ2~3倍ほどあり、壁面の照明をどう演出するかによって空間の見え方や雰囲気などに与える影響が大きいのです。

ウォールウォッシャ器具による壁面照明は、壁面が明るい仕上げであるほど空間の明るさ感が強調されます。さらに壁面だけが明るく、天井や床面が暗いほど空間はまるで美術館のように静寂でドラマチックな印象を創り出します。

写真1.絵画をスポットライトで照明している例

写真1.絵画をスポットライトで照明している例

住宅では壁一面に絵画や写真などを飾っているところでのウォールウォッシャ照明は効果的です。また空間のアクセントとして壁紙が一面だけ他の面と異なってところがあれば、その壁面は積極的に照明されることが勧められます。

住宅向けのウォールウォッシャ器具は白熱電球や電球型蛍光ランプ器具を使用した天井埋め込み式で、いわゆるダウンライト器具のカテゴリーの中にあります。それらの中には全般照明用ダウンライト器具と外観が全く似ていて、同じ部屋に共存させても全く違和感のない状況を作り出すことが可能です。

最近、白熱灯用ウォールウォッシャ器具にLED電球が代替できるかという質問がありましたが、ウォールウォッシャ器具もメーカーによって種類が幾つかあるので、一概に言えませんがレンズのないタイプは、仮にランプが器具に入れられたとしても、おそらくイメージしているような照明効果にはならないと思います。

次の頁では、「スポットライトで壁面を照明」についてご紹介します。
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