美術館のような雰囲気を演出
図1.ウォールウォッシャ器具の配灯位置
住宅におけるウォールウォッシャ器具は、器種にもよりますが、一般的に壁面からの距離(図1:D)を80cm前後とり、器具の間隔(図1:S)をその1~1,2倍程度で配置します。
壁面は正常視点で最も目に入りやすい面といえます。また壁面の面積は床や天井面に比べ部屋の大きさにもよりますが、およそ2~3倍ほどあり、壁面の照明をどう演出するかによって空間の見え方や雰囲気などに与える影響が大きいのです。
ウォールウォッシャ器具による壁面照明は、壁面が明るい仕上げであるほど空間の明るさ感が強調されます。さらに壁面だけが明るく、天井や床面が暗いほど空間はまるで美術館のように静寂でドラマチックな印象を創り出します。
写真1.絵画をスポットライトで照明している例
住宅向けのウォールウォッシャ器具は白熱電球や電球型蛍光ランプ器具を使用した天井埋め込み式で、いわゆるダウンライト器具のカテゴリーの中にあります。それらの中には全般照明用ダウンライト器具と外観が全く似ていて、同じ部屋に共存させても全く違和感のない状況を作り出すことが可能です。
最近、白熱灯用ウォールウォッシャ器具にLED電球が代替できるかという質問がありましたが、ウォールウォッシャ器具もメーカーによって種類が幾つかあるので、一概に言えませんがレンズのないタイプは、仮にランプが器具に入れられたとしても、おそらくイメージしているような照明効果にはならないと思います。
次の頁では、「スポットライトで壁面を照明」についてご紹介します。