三重県松阪市の名産「松阪牛」の美味しさは脂肪にある
霜降りの松阪肉
三重を代表する美味しいものといえば、松阪牛(まつさかうし)です。とにかく文句なく、誰に聞いても美味しいお肉。一言でいえば「口の中でとろける」し、お肉が「はしで切れる」のです。美味しさの秘密は、ずばり脂肪の質が優れているから。松阪肉の脂肪をつめの上に載せていると溶けていくのです。
この優れた脂肪が織り込まれた状態が、「霜降り」「サシ」と呼ばれます。中でも最上級の「5」等級は、鮮やかな赤身に、良質の脂肪が点々と白く浮かび「肉の芸術品」と呼ばれています。ちなみに松阪で肥育された牛が全て松阪牛ではなく、肉質の優れたものしか認められていません。松阪といえば、松阪牛。そのブランドイメージを守るために、厳しく品質は等級分けされているのですよ。
大切に育てられる松阪牛
松阪肉牛共進会の優秀賞を取った松阪牛です。
「松阪牛の中でも特に但馬地方をはじめとする兵庫県より生後約8ヶ月の選び抜いた子牛を導入し、900日以上の長期に渡り農家の手で1頭1頭手塩にかけて肥育されたものを特産松阪牛と呼んでいます」と、松阪牛協議会のサイトにあるように、松阪牛は肥育農家によって大切に育てられています。極力ストレスを感じないように、豊かな湧水が出る山奥で育てられている牛もいます。牛と一緒にご飯を食べ、散歩をし、牛と一心同体となり、家族の一員として暮らしているそうです。
肥育農家の方が「命を扱う」ということを意識して、牛を大切にすればするほど、穏やかで良い牛になり、温厚でやさしい肥育農家の方の人柄がそのまま牛の肉質の良さになるそうですよ。消費者は単に「肉」を食べるのではなく、大切に育てられた「命」を頂いているということを意識したいものですね。
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