宇宙・天体/星空を観察するための基礎知識

春の星座を楽しもう!特徴と見つけ方(3ページ目)

星座にも見ごろがあるのをご存知ですか? 季節ごとに旬の食べ物があるように、星空にも四季折々の風情があるのです。今回は、春の星座として代表的なしし座やおおぐま座などの解説をはじめ、春の大三角や大曲線、一等星について、それぞれの名前と特徴をご紹介します。

執筆者:景山 えりか


しし座

うしかい座のアルクトゥールスとおとめ座のスピカをつないで底辺とし、右(西)のほうへ正三角形を描いてみましょう。その頂点にあたるのがしし座の2等星「デネボラ」です。デネボラとは、ライオンのしっぽという意味。夜空に描いた、この大きな三角形を「春の大三角」といいます。
春の大三角

星座神話では、おとめ座は農業の女神デーメーテール、あるいは娘のペルセフォネーの姿だといわれています


さらに、北極星を探すときに使った北斗七星の2つの星を結んだ線を、北極星とは反対方向にのばしていくと、しし座の1等星「レグルス」がみつかります。さあ、これで春の星座の1等星が3つ出そろいましたね。

しし座は、春の星座の中で抜群にわかりやすい星の並びをしています。「?マーク」を左右反転させたような形に星が並んでいるところがしし座の頭部。そこからデネボラに向かって台形をした星の並びが胴体。ゆっくりと見渡せば、天空を駆けるライオンの姿が夜空に浮かびあがってきます。
しし座とかに座

しし座の頭部の星の並びは、草刈りの鎌に形が似ていることから「ししの大鎌」と呼ばれています


かに座

しし座のレグルスが見つかったら、視線を右(西)方向にうつしていきましょう。ぼんやりと雲のようなものが見えるはず。それは、かに座の甲羅に位置する「プレセペ星団」です。プレセペ星団は星の集まりですが、肉眼では1個1個の星は確認できず、ふわっとした光のかたまりに見えます。かに座は暗めの星が多いので、探しやすい星座とはいえませんが、肉眼でも見えるプレセペ星団はとてもよい目印です。

かに座、しし座、(前のページでご紹介した)おとめ座は、太陽の通り道にあり、星占いに登場する星座です。自分の誕生星座にあたる人は、春の夜空に探してみてください。

地上に色とりどりの花々が咲き誇る春。夜空を見上げれば、花の美しさに負けじと星たちが輝いています。夜の空気に花の香りを感じながら、春の旬の星座を楽しみましょう。

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