石田陽子の恋愛コラム/石田陽子の恋愛情報

愛の試練、困難な状況に諦めない勇気を手に入れるには(2ページ目)

「好きな人のそばにいたい」「愛する人と幸せな日常を手に入れたい」と願っても、思い通りにならないのが人生。後悔しない選択をする強さを手に入れるために、今の私たちに必要なこととは? 話題の新作映画『博士の彼女のセオリー』と『妻への家路』という2つの愛の物語から学びます。

石田 陽子

執筆者:石田 陽子

恋愛ガイド

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夫の記憶は消えても…変わらずに待ち続ける愛

妻への家路

(C) 2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved
 

チャン・イーモウ監督の最新作『妻への家路』でコン・リーが演じるのは、夫への愛は変わらないのに、その姿や顔は忘れてしまった女性フォン・ワンイー。1977年、文化大革命が終結して20年ぶりに解放されたルー・イェンシー(チャン・ダオミン)が家に戻ると、待ちすぎ妻は心労のあまり、夫の記憶だけを失っていたのでした。

家の鍵をかけないのは、夫が帰ってきたときのため。娘のタンタンと一緒に住まないのは、夫からの伝言を密告した娘を許していないから。夫への愛情は変わらないまま、夫の記憶だけが消えてしまったのです。

妻に自分を思い出してもらおうと、夫は若い頃のコートを着て駅に降り立つところからやり直したり、古い写真を見せたり、ピアノの調律師のフリをして思い出の曲を弾いたり……。

妻への家路

(C) 2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved


諦めずに待ち続けるヒロイン

チャン・イーモウ監督といえば、『初恋のきた道』のヒロイン、チャン・ツィイーの可愛さは衝撃的でした。チャン・ツィイー演じるチャオ・ディが都会からやってきた若い教師に恋をして彼の好きな餃子を作って想いを伝えようとするシーン。あの餃子も美味しそうでしたが、今作でもコン・リーが夫のために饅頭を作るシーンにも強い愛情が感じられて印象的でした。

『初恋のきた道』でチャン・ツィイーが恋した先生が町に連れ戻されてしまうのは右派とされたからで、彼女はいつ帰ってくるか分からない彼のことを一本道でずっと待ち続けていたんですよね。

今作でも、自分の記憶をなくした妻が隣でずっと自分の帰りを待ち続けている……。過ぎ去った大切な時間を惜しみ、お互いに想いを断ち切れないまま、寄り添い続けている二人の姿。切ないけれども、決して間違っているとは思えません。

もしかすると、今の私たちは諦めることに慣れてしまい、大切なものを簡単に手放すクセがついてしまっているかもしれませんね。ムリかもと最初から諦めず、自分にできることはやってみる! そんな覚悟があれば変化はきっと訪れるはずです。

妻への家路

(C) 2014, Le Vision Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved


『妻への家路』

監督:チャン・イーモウ
脚本:ヅォウ・ジンジー
出演:チェン・ダオミン コン・リー チャン・ホエウェン
原題:歸来、COMING HOME
配給:ギャガ
公式サイト:cominghome.gaga.ne.jp
2015年3月6日TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
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