ひとつのスタート、JPBL設立
なぜ6月に設定されているのか。6月はバスケットボール日本代表が五輪予選出場を可能にするギリギリのデッドラインであるからです。このデッドラインまで にタスクフォースが示した計画を遵守協力する日本協会の姿勢を見せられれば、日本代表がリオ・五輪予選に出場する事はまだ可能なのです。時間は確かに限られています。しかし、川淵氏を筆頭にタスクフォースが見せている今までにないスピード感は、本気で改革に取り組もうとする姿勢が伝わってきます。既に日本バスットボール界が自力で成し得なかった事をものの数ヶ月で達成しているとも言えるでしょう。
また、2015年4月3日には大きな改革が発表になりました。男子新リーグ、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)の設立です。2016年秋開幕の統一リーグ開催は国際試合禁止処分解除と同時に、真の意味でバスケットボールが日本に根付く為の大きな一歩となりそうです。
今回発表が行われたJPBL設立記念セレモニーでは、現存する24チームからのリーグ入会申し込みもあえて同時にメディア公開で行われました。メディア戦略を意識する川淵氏が参加意向を示すチームの決意を試した形ともとれます。また、『JPBL設立発表はひとつのスタートに過ぎない』そんなメッセージも込められているのではないでしょうか。
今後もバスケットボール界は大きな使命感と責任感をもって取り組むべき課題を多く残しています。引き続き"未来への希望"と"背筋を正す危機感"の両方を携えながらの前進を望みます。
日本のバスケットボール界が未だ成し遂げていなかった
経済的な成功を後押しする事にもなるかも知れない
実は今回FIBAが資格停止という最も厳しい処分を下した裏には、サッカーに対抗する世界2番目のスポーツとしてまだまだマーケットの促進が必要であり、各国の強化こそが放映権ビジネス成功の大きな鍵を握ると考えている背景があると言えます。日本がその中のキープレーヤーとして大きな可能性があることをFIBAは感じているのでしょう。これは日本のバスケットボール界が未だ成し遂げていなかった経済的かつ文化的な成功を後押しする事にもなるかも知れません。今回はどうしたらバスケットボール日本代表が五輪に出場できるのか? というテーマでお送りしましたが、現状日本バスケットボールが直面する危機的状況を考え、技術や戦術的な切り口ではなく構造的な内容になりました。バスケットボールに関わる1人の人間としてこの件はひとりでも多くの方に知って頂きたい、そして今こそチャンス! と大きなウネリが我々を前進させてくれると信じて皆さんにご紹介させて頂きました。
まずは制裁解除。そこをスタートにバスケットボール界の改革がなされれば、代表チームもおのずと五輪出場の目標が見えてくるでしょう。
お付き合いありがとうございました。