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ダウンタウンは遠い...

誰もが一瞬息をのむ

リングから遠くはなれた3ポイントライン、そこから放たれたシュートが高い放物線を描きながらネットに吸い込まれていく。3ポイント(以下3P)シュートと呼ばれる長距離からのシュートは、時に一発逆転をも演じるバスケットボールで最も美しい瞬間のひとつです。

会場が歓喜の大歓声で包まれるその瞬間、実況アナウンサーがFrom Downtown(フロム・ダウンタウン)!! そんな言葉を耳にした事はありませんか?

繰り返し使われ、定着している言い回しなのでダウンタウン=3Pシュートとの推測はつきますが、一体なぜダウンタウンというのでしょうか。そもそもダウンタウンとは都心部や繁華街という意味ですので、外角の3Pエリアよりも身長の高い“高層ビル”級の選手達が立ち並ぶゴール下エリアの方が“ダウンタウン”と呼ぶに相応しい気もしてしまいます。


何故3Pシュートは“フロム・ダウンタウン”と言われるのか?

このダウンタウンという表現には諸説あるようですが最も有力なのはフレッド・ブラウンという選手に由来するというもの。

フレッドは1971年から1984年までシアトル・スーパーソニックス(*現在は本拠地をオクラホマシティに移転。サンダーに名称も変わっている。)に所属したNBA選手でポジションはガード。非常にシュートが上手く、長距離の精度も高かったため得点を量産、キャリア総得点は球団史上2位の14018得点。1試合での球団最高得点記録58得点も叩き出しており、オールスターにも選出されるほどの選手。1979年にはNBA制覇も達成しています。

そんなフレッド・ブラウンはアメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー出身、リンカーン高校卒業後サウスイースタン・コミュニティー・カレッジ、アイオワ大学を経てNBA入り。

リンカーン高校を2度の州チャンピオンに導いたフレッドは他の高校からもかなり警戒され、恐れられていたのでしょう。他校の生徒はミルウォーキーの”中心街”にあるリンカーン高校に通うフレッドに”ダウンタウン・フレッディー・ブラウン”のあだ名をつけて呼んでいたのが全ての始まり。


『ダウンタウンから決めた!』は選手のあだ名だった。

プロとしてのキャリアが終わるまでずっとついてきた“ダウンタウン”というあだ名、フレッドがアイオワの新聞紙に取材で『子供達に”ダウンタウン・フレディー“とサインを書いてくれと頼まれたサイン会で、受け答えを聞いていたメディアがあだ名を知る事になった。そこから定着したのさ』と応えています。恐らく最初は新聞の見出しなどに使われるうちに実況アナウンサーなども”ダウンタウン“と呼ぶようになったのでしょう。

残念ながら引退したフレッドのプレーは見る事が出来ません。しかし、かつてフレッドが3Pを沈めるたびに『ダウンタウンが決めた!』と連呼されるフレーズは親しみと共に受け継がれ『ダウンタウンから決めた!』と少しだけ変化したものが文化として定着、今日に至るようです。

2005年の記述では3人の息子さんがいらっしゃるフレッド。もっぱら楽しむスポーツはテニスだそうです。今も楽しんでいれば、テニスにも“ダウンタウン”が出来ないとは言い切れませんね。
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