ヨーロッパ発、奇妙な後味サスペンス&ミステリー
『サスペリア』(1977年度作品)スージー(ジェシカ・ハーパー)が在籍することになったドイツのバレエ学校では、次々と奇怪な事件が起きて、人が死んでいく。やがて、このバレエ学校の秘密を知った彼女の身にも恐怖が降りかかり……。
「決してひとりでは見ないでください」のキャッチコピーで一世を風靡したホラー界の奇才ダリオ・アルジェントの美サスペンス。バレエ学校が舞台で美しい少女たちが残酷な殺され方をするという『サスペリア』は、美しい人は血まみれになっても綺麗、恐れおののき叫ぶ顔も美しい、恐ろしい話には美人が似合うというのを証明しました。グロテスクと美の間を行ったり来たりしながら大いに楽しませてくれます。監督:ダリオ・アルジェント 出演:ジェシカ・ハーパー、アリダ・ヴァリ、ジョーン・ベネット
『乙女の祈り』(1994年度作品)
仲のいいクラスメイトの少女二人(メラニー・リンスキー&ケイト・ウィンスレット)だったけれど、二人があまりにも独自の世界を大切にしすぎて、お互いにのめり込んでいたため、家族に引き離されそうになります。二人は永遠に一緒にいる夢を叶えるためにあることを実行に移すのですが……。
ニュージーランドで実際に起きた事件をピーター・ジャクソン監督が映画化。少女ふたりが自分たちだけの国「ボロウィニア王国」を作り出し、その世界の住人になるという思春期の危なさをしっかりとらえた物語が素晴らしい。二人の意識が架空の世界に行ってしまっている様を現実世界で第三者的に見ると、いかに異常かというのがわかるのが怖い。『乙女の祈り』には、心が壊れる瞬間を垣間見るような恐ろしさがあるのです。
監督:ピーター・ジャクソン 出演:メラニー・リンスキー、ケイト・ウィンスレットほか
学園青春ミステリーは思春期の危なさが発端となっている物が多い。やはり十代は悩める世代ゆえに映画になりやすいのかも。それゆえにグラグラ揺れる心はいつダークサイドに落ちてもおかしくありません。また機会あったらミステリー特集やります!