横浜の文化の1つにしたい
ガイド:そんな中、ライヴ、イベント、パーティーとかで実体験をするというのが、重要になっていますよね。ダンスミュージックもそうですが、アイドルも。やはり、そのような流れというのは感じていますか?
HIDE:
当然重要だと思いますし、やってる側としてはそうであってほしいと常に思いますけど、需要と供給のバランスはどんどん崩れていると思います。セールスが思わしくない分、現場で補おうとするのは、もはや誰もが手をつけているところで完全に供給過多ですよね。オリコン常連のアーティストも本当にトップの一握りを除 けば地方公演は空席があるみたいですし、東京のクラブも毎週海外アーティストが来日してますしね。誰かが一人勝ちを狙うのではなくて、音楽という一つのエ ンターテイメントに対して業界全体が同じ方向を向いて取り組めば、結果として文化として根付くと思います。
ガイド:
では、今回、HIDEさんが始める月例パーティー「7th SUMMER of LOVE」について伺います。横浜の7th AVENUEというハコが舞台となりますが、中心である都心部ではなく、横浜という街を選んだ理由は?
HIDE:
地元であるというのが一つ、大きな理由です。うちから渋谷は結構遠いんですよ(笑)。まぁそれは置いといて、既にダンスミュージックのシーンが根付いている場 所とか、飽和状態になっている場所に僕がパーティーを持ち込む意義は今はないんです。それならダンスミュージックのイメージすらない横浜で1からシーンを起こすことに面白味を感じています。完全に地方でやるより都内まで30分で行ける場所の方が試練ですけどね(笑)。レストラン街の目と鼻の先に個人経営の弁当屋を出店する様なものです。
四方さんは横浜といえば何が思い浮かびますか?
ガイド:
横浜といえば、シウマイですね(笑)。よく、新幹線の帰りにシウマイ弁当を食べます。あと、同じ港町、中華街、ハイカラ、お嬢さんファッション(ハマトラ)とか、神戸に近いイメージもあります。
HIDE:
まぁシウマイですよね(笑)。ハイカラ…好きな響きです。何かに取り入れたいですね。
ガイド:
アメリカで勃興した「Summer of Love」は、60年代後半のカウンターカルチャーの発祥となるヒッピームーヴメント。そして、80年代後半には、マッドチェスターにもつながる「The 2nd Summer Of Love」というムーヴメントがイギリスで起こりました。「The 3rd Summer of Love」は、現在までその兆候はありませんが、「7th SUMMER of LOVE」にはそういう思いを感じます。どんなパーティーにしていきたいのか、是非お聞かせください。
HIDE:
その2つのムーヴメントの魅力は、どちらも共通して商業的な匂いがなかったというところですよね。実際のところは分かりませんし、外側ではかなりのキャッシュが動いていたと思いますが、少なくともスポンサーに頼った運営ではなかったはず。さっきのブロードウェイの話じゃないですけど、同じ作品でも商業的な匂いの強い、粗のない綺麗な場所での公演だと魅力は半減してしまうと僕は思う。東京という世界最先端の街ではなく、しかも会場のYOKOHAMA 7th AVENUEは今年で30周年ですから。「7th SUMMER of LOVE」は古き良き匂いのする人間味のあるパーティーにしたいですね。横浜の文化の1つに数えられるようなパーティーにしますよ。