不毛の地と呼ばれた横浜にダンスミュージックを！(2ページ目)

ウェアハウスとダンスミュージック

ガイド：
ちょっと余談ですが、先日、某倉庫会社の社長さんのプレゼンを聞く機会があったのです。倉庫業は「くらい・きたない・きつい」というイメージがあったけど、今は、倉庫をかっこいいオフィスとかにして、とってもクリエイティヴな仕事をされている会社があります。プレゼンで、ハウスミュージックもファクトリー・レコードもみんな倉庫から生まれたという話があって、僕にはとてもいいつかみでした。日本もバブル期とかさなる80年代末に「ジュリアナ東京」「芝浦ゴール ド」「インクスティック」とかの芝浦の倉庫街がダンスミュージックの発信地となっていましたが、HIDEさんはこのあたりになると実体験はあるのですか？ ちなみに僕はこの時期、東京にいなかったので、さほど体験はないんですけど。

HIDE：
最高なつかみ！ やはり同じぐらいの世代の方ですか？

ガイド：
たぶん、一世代前、40代くらいの社長さんでした。

HIDE：
僕はまだその頃ランドセルだったので、実体験も初体験もないんですよ。 ただ、大学時代を過ごしたアメリカでは、昼間は印刷工場、夜はクラブという場所はありました。そこの社長が結構クレイジーな人だったみたいで。普通のワークデスクがエントランスの受付になってたり(笑)。野外とか最先端のクラブは非日常的でそれはそれで面白いんですけど、日常を過ごす場所が夜になるとクラブに変身するのは究極にカオス。ちょっと衝撃でしたね。

ガイド：
クラブになる印刷工場！ 倉庫だけでなく、日本の工場も、そういうクレイジーなことをやって欲しいです。

音楽一家だったのか？

ガイド：
お兄さんも1993年から月刊プロボーラーとして活動を始めたり、HIDEさんの家族は、やはり音楽一家だったのでしょうか？

HIDE：
いえ、超体育会系です(笑)！ テレビも観ない、漫画も読まない、とにかくずっと汗かいてました。月刊プロボーラーも汗だくテクノユニットだったから許されたんじゃないですか(笑)？

ガイド：
どちらかというと、理科系やアート系のイメージのテクノですが、体育会系テクノ！ 斬新です。

影響を受けたアーティスト

ガイド：
一番、今のHIDEさんの音楽性に影響を与えたアーティストと言えば、誰になるんでしょう？ やっぱり、HARDFLOORですか？

HIDE：
テクノで言えば間違いなくHARDFLOORですね。小5から聴き続けてますから。全部歌えますよ。ビヨビヨビヨって。それ以外にもその時代、ジャンルでハマったアーティストは沢山います。ユーロビートならDead or Alive、ヒップホップならNaughty By Nature、ポップスならMichael Jackson、ミュージカルならAndrew Lloyd Webber、クラシックならドヴォルザークとか…。全員から影響を受けて今に至ります。日本人ならやっぱり月刊プロボーラーです(笑)。四方さんが一番影響を受けたアーティストは誰ですか？ ジャンル問わず、一人だけでお願いします(笑)！

ガイド：
一人なら、はやりTrevor Horn先生です。もともと「近未来」や「レトロフューチャー」なものが好きで、The Bugglesの2枚のアルバム『ラジオスターの悲劇』『モダンレコーディングの冒険』は、擦り切れるほど聴きました。そして、Trevor Hornが関わった全ての作品を追っかけていました。だから、t.A.T.u.にも興味を持ったのです。2012年、ビルボード東京で行われたTrevor Hornのライヴが遂に見れました。自分の中では死ぬまでにやりたかったことの一つです。

HIDE：
筋金入りですね！ Trevor Hornとt.A.T.u.が結びつく人は中々いないと思いますよ(笑)。僕の中では808 Stateのイメージが強いですね。