星空を観察する際の心得3つ
天体観測の前に準備しておくこと
1. タイミング
2. 場所
3. シチュエーション
知っておくと、夜になるのが待ち遠しく、星空を見上げることがもっと楽しくなります。
星空観察の心得1. 空を見上げるタイミング
・空が完全に暗くなってから星は、太陽が西へ沈んでから徐々に見えてきます。なぜ「徐々に」かというと、日没直後に空が突然真っ暗になるわけではないから。日が沈んでも、地平線下にある太陽の影響で、空にはほのかに明るさが残っています。この状態を「薄明(はくめい)」といいます。季節によって違いはありますが、薄明は日没後1~2時間くらい。星空を楽しむなら、薄明が終わって空が完全に暗くなってからが最適です(なお、薄明は日の出前にもあります)。
時間に余裕があるならば、日が沈むのを見届けて、空に見える星の数が増えていく様子を楽しみましょう
淡い星の光は、月明かりにかき消されてしまいます。そのため、満月のように月が明るいときは、見える星の数が激減。なるべく月明かりがない日を選ぶようにしましょう。
月が空を横切る時間帯は毎日変わるため、少し面倒に感じるかもしれませんが、新聞やスマートフォンのアプリなどで月相や月齢をチェックすると参考になります。
●新月<月齢0>
月明かりがまったくありません! ひと晩中、星が楽しめます。
●上弦(半月)の頃<月齢7>
月は夜中に沈みます。月没後から夜明け前までが星を見るタイミング。
●満月の頃<月齢15>
ひと晩中、月が出ています。月明かりの影響をもっとも受けてしまう日です。
●下弦(半月)の頃<月齢22>
月は夜中に昇ってきます。日没後の薄明終了から月の出までが星を見るタイミング。
星空観察の心得2. 空を見上げる場所
・人工の光がないところ 月明かりと同様に、人工の灯りがあると見える星の数は減ってしまいます。なるべく街灯のない場所へ行きましょう。街灯や広告灯などが近くにある場合は、光源に背を向けたり、手で隠すようにしてみます。ちょっとしたことですが、星がずいぶんと見やすくなるので試してみてください。夜空を明るくしてしまう街灯。星を楽しみたいときは、なるべく人工の光がない場所へ
毎日の生活や仕事があると、満天の星が見えるところに出かけるのは難しいもの。そこで、自宅や職場の近くに星を見るのに適した場所を探してみましょう。都会や市街地でも、明るい星はけっこう見えています。意識して周囲を見てみると、意外なところに穴場スポットがあるかもしれません。ビルの屋上や公園、河原、土手など、高い建物によって視界がさえぎられることのない、ひらけた場所がベストスポットです。
星空観察の心得3. 空を見上げるシチュエーション
・のんびりと楽な姿勢で 夜空を見上げて、すぐに目に入ってくるのは明るい星だけです。暗い星がなかなか見えてこないのは、瞳が周囲の暗さに慣れるまで少し時間がかかるから。私たち現代人は、すぐに結果を求めがちですが、星を見るときは時間と心に余裕を持ちましょう。できれば15~30分は夜空をじっと眺めたいところです。芝生の上に寝転ぶのもオススメ
けれど、星空をずっと見上げていると首や肩がこり、立ちっぱなしだと足腰が疲れてきます。自宅の庭やベランダで見るときには、椅子を出すのがオススメ。広くて安全な場所なら、レジャーシートを敷いて寝っ転がるのが一番らくちんです。のんびりと夜空を眺めていると、だんだんと見える星の数が増えていきます。
・防寒対策も忘れずに ガタガタと寒さに震えながらでは、星を見る楽しさが半減してしまいます。真夏の暑い夜をのぞいて、防寒対策はしっかりとしておきたいところ。大判のストールや薄手のブランケットはオールシーズン使えるオススメのアイテム。頭からすっぽりとかぶったり、上着の代わりに羽織ったり、巻きスカートのように腰に巻きつけたり、四角く折りたためば座布団にも。用途が広く、一枚持っていると便利です。
さらに、温かい飲み物があると気分がほっこり。長時間、屋外にいると、体の芯まで冷えきってしまうので、カバンに使い捨てカイロをしのばせておくのも安心材料になります。
・何よりも安全が第一
星空に夢中になっていると、足元への注意がおろそかになりがちです。ちょっとした段差につまずいたり、置いてあるものにぶつかったりしてケガをしてしまったら、せっかくの楽しい時間が台無しになってしまいます。
また、灯りの少ない暗い場所は、危険も増えます。必ずライトを持参しましょう。昼間のうちに、星を見る場所や帰り道を確認しておくことも大切。自宅の庭や公園などでも、夜になると雰囲気が変わります。慣れた場所であっても油断は禁物です。
安全確認は安心感につながり、心からリラックスした状態をつくって星に集中できる環境をととのえることになります。何よりも安全第一に、星空を楽しんでください。
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