ブラジル/ブラジル基本情報

前人未踏の計画都市!世界遺産ブラジリアの基本情報

ブラジルの首都ブラジリア。20世紀最大の人類の挑戦ともいわれる計画都市として知られています。ここでは、街のエリア情報からアクセス方法、移動手段、旅の服装まで基本情報をご紹介します。ぜひ観光の参考に役立てて下さい。

山本 綾子

執筆者:山本 綾子

ブラジルガイド

壮大なる都市計画から生まれたブラジリア

ブラジリアの風景

ブラジリアの風景

ブラジリアは、今からたった50数年前につくられたブラジルの首都です。標高1,100mの単なる荒野だった地に首都建設が決まり、3年の突貫工事を経てリオから遷都したのが1960年のこと。沿岸部との経済格差を減らすために、当時の大統領ジュセリーノ・クビチェック(現地の発音はクビシェッキが近い)によって発案された前人未踏の計画といわれますが、今では、周辺の衛星都市を含めて約280万人が暮らす大都市圏です。歴史が浅いにもかかわらず、世界遺産となった珍しい街として知られています。

ブラジリアへの行き方

ブラジリアは、リオやサンパウロから毎日頻繁に飛行機が飛んでいます。この両都市と日本を結ぶ国際線はエアラインも便数も多いので、リオ、サンパウロから足を延ばすのが一般的です。日本から直接ブラジリアに入国したい方は、アメリカ・アトランタ経由のデルタ航空便(毎日1便)か、2014年に開通したパリ経由のエールフランス便(週3便)がどちらも1回乗り換えで便利です。ブラジリアはさすが首都、全26州都を含む多くの主要都市と直行便で結ばれているので、ブラジリアを拠点にブラジル国内旅行をするのもおすすめです。

空港から市内へ

ブラジリア国際空港(プレジデント・ジュセリーノ・クビチェック国際空港)から中心地までは約12km。ホテル地区までは、空港バス(8レアル)またはタクシー(メーター制、約40レアル、夜間早朝2割増し)が便利です。
空港バスは北・南ホテル地区を巡回しますが、全てのホテルに停まるわけではないので、宿泊ホテルがどのバス停と近いか確認してから利用しましょう。タクシーの場合、混雑時でなければおよそ20分で到着します。

<DATA>
■空港バスÔnibus Executivo Aeroporto 113番
運行時間:毎日6:30~00:00間、30分おきに出発(土・日曜、祝日は23:00まで)
路線図:http://www.tcb.df.gov.br/images/images/roteiro.jpg


エリア毎に分かれた街並み

「パイロットプラン」という都市計画に基づいてつくられた街は、飛行機型のデザインをしています。胴体は東西に約10km、翼部分は南北に約12km延び、その大きさはおよそ東京の山手線内に相当。官公庁、文化施設、商業施設、ホテル、住居地区はエリア毎に分かれていて、それぞれ厳しい高さ・敷地面積の制限のもとに建てられています。

国会議事堂や文化施設など観光スポットは胴体に集中していて、弓型に広がる翼部分には最高6階建(日本の7階建)のアパート群が巨大団地のように広がっているのが特徴です。

ロマンチックな湖畔エリア

パラノア湖とクビチェック橋

パラノア湖とクビチェック橋

飛行機型の前方には人造湖であるパラノア湖が広がります。湖畔の対岸にはプール付の高級な一戸建てが建ち並び、その風景はまさに荒野に出現した夢のリゾート地。おしゃれな高級レストランや商業施設もあり、美観を楽しむにはランチ時や夕暮れ時がいいでしょう。3本のアーチが特徴のジュセリーノ・クビチェック橋もお見逃しなく。


道路に注目!観光は車が最適

信号が少ない街

信号が少ない街

ブラジリアの観光ポイントは、なんといっても街中に溢れる巨大で斬新な建築物と、他の都市とは全く異なる街づくり。道が広く、ロータリーやT字型交差、立体交差ばかりで、十字路で必要な信号が極めて少ないことに気づきます。
車社会を想定しているので、残念ながら散歩ができる広い繁華街エリアや情緒あふれる路地裏はありません。この巨大な計画都市を短時間で満喫するには、車がおすすめです。


公共交通機関と市内観光バス

2階建の観光バス

2階建の観光バス

市内バスは、飛行機型の胴体と翼部分の交差地点にある近距離バスターミナルを拠点にあらゆる場所へ通じていますが、路線図やバス停の案内はありません。この街で一旦降りる場所を間違えると、だだっ広い道にポツンと取り残されるリスクが伴いますので要注意。また、バスターミナルは郊外から人が集まる地点でもあり、治安はあまりよくないので気をつけて下さい。
地下鉄(月~金3レアル、土・日・祝日2レアル)は、近距離バスターミナルから南の翼の中心を走り、南西に続く衛生都市に伸びています。比較的きれいで乗りやすいのですが、残念ながら観光エリアはほとんど通りません。
観光スポットをリーズナブルに効率よく廻りたい方は、2階建ての市内観光バスがおすすめです。北のホテル地区にあるブラジリア・ショッピングの前から毎日3便出発します。

<DATA>
■市内観光バス
運行時間:毎日10:30、14:00、16:30出発(2時間コース)
乗車料:一般 50レアル(0~5歳 無料、6~12歳と65歳以上 25レアル)
言語:ポルトガル語、スペイン語、英語
電話:(61)9338-9692、(61)9338-9704、(61)9304-1992
※ブラジリアの主要な観光スポット13か所を巡ります。そのうち、カテドラル、三権広場、大統領公邸では10分ずつ停泊します。


宿泊ホテルの選び方

アウヴォラーダホテルのロビー

アウヴォラーダホテルのロビー

計画都市ブラジリアでは、先述の通り、ホテルはホテル地区に集中しています。北ホテル地区と南ホテル地区があり、いずれも街中心のテレビ塔に近く、観光拠点としては便利です。また、いずれの地区も低価格でシンプルなホテルから一般的なビジネスホテルまで好みに合わせて選ぶことができます。北ホテル地区の近くにはブラジリア・ショピングセンター、南ホテル地区近くにはパチオ・ショッピングセンターがあり、軽食や薬局などちょっとした用事に安心して立ち寄ることができます。
ちなみに、ガイドのおすすめは北ホテル地区。かまぼこ型のブラジリア・ショッピングセンターの前からは、先述の市内観光バスが出発します。

もう一つの選択肢が、ロイヤル・チューリップ・ブラジリア・アウヴォラーダホテル。アウボラーダ宮殿(大統領公邸)に近く、各国要人の宿泊や国際会議に利用される最高級ホテルです。中心地から離れていて多少不便ですが、日系人建築家ルイ・オオタケ設計の真っ赤な曲線が印象的で、パラノア湖畔で静かに贅沢な夜を過ごしたい方に絶好のホテルです。


ブラジリアの気候と旅の服装

一年を通じて、寒暖の差はそれほどありません。雨季の10~4月は気温が30℃を超えることも多くありますが、雨が降ると多少涼しくなります。乾季の5~9月のうち、7月と8月頃は最も寒く、気温が15℃程度に下がることもあります。
旅行の際は日焼け対策として薄い長袖のシャツ、サングラスのほか、肌寒い朝晩に着用する上着、冬はセーター類があると安心です。また、乾季に出歩く時はペットボトルの水を忘れずに。自動販売機はありませんよ。それでは、快適なご旅行をお楽しみください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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