ブラジルの治安は、「十分注意して下さい」レベル

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世界的に有名なコパカバーナビーチ

<目次>
残念ながらあまりいいイメージを抱かれていないブラジルの治安……。外務省が、渡航に注意が必要と思われる国や地域に発出している「危険情報」にも、2019年1月現在、危険度レベル1の「十分注意して下さい」が指定されています。危険情報4段階のなかでは、一番危険度の低いレベルではありますが、「当該国(地域)への渡航、滞在に当たって特別な注意が必要であることを示し、危険を避けて頂くよう、おすすめするもの」。つまり、日本と同じ感覚でブラジルへ出かけてはいけませんよ、と言うこと。

メキシコの市民社会組織「治安、正義と平和」が世界の都市の人口10万人あたりの殺人発生率に基づいて毎年行っている「最も暴力的な都市」調査の2017年版では、上位50都市にブラジルの17都市が入り、世界で最も多いという結果でした(参考:「サンパウロ新聞」)。

銃器を使った凶悪犯罪は、日本ではあまり意識しない貧困、麻薬などに起因するケースが大半。「2018年版 Anuário Brasileiro de Segurança Pública」によると、2016年から2017年にかけて殺人件数は2.9%増え、2017年にはブラジル国内で1日に175人が殺されている計算になるとそうです。
こんな凶悪事件に観光客が巻き込まれる可能性も否定はできません。犯罪に対する「ブラジルの常識」を予め学んでおきましょう。

なお、2015年後半からジカウイルス感染症(ジカ熱)の流行から、妊婦及び妊娠予定の方は特に注意するようにとの警告がでていました。2017年以降は警告が解除されていますが、旅行前には情報収集に努めてください。
また、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカは黄熱病の媒介もします。厚生労働省検疫所のサイトによると、「2017年に、ブラジルの黄熱の伝播のリスクがあると定義付けられた地域が拡大されました。さらに、2018年にはサンパウロ州は対象が全域に拡大」されたそうです。渡航者は、できるだけ黄熱病の予防接種を受けることをおすすめします。
 

無謀な冒険をしないこと

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サンパウロのファヴェーラ


危険を避ける基本は、「危ない」と言われているエリアに近づかないこと! どの街にも存在するファベーラ(貧民街)と呼ばれる地区は、そのエリア毎の常識で機能しています。ギャング同士や警察との抗争、麻薬や銃器の密売などが行われている場所もあります。興味本位で立ち入らないようにして下さい。どうしてもファベーラ体験をしたい人は、専門ツアーもありますので、エリアに精通している、信頼できる人に案内してもらいましょう。
 
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バイーア州のビーチの夕暮れ。日没後は人気がなくなるので気をつけて


また、街は危なくて、自然/田舎が安全だとも限りません。美しいビーチや雄大な自然は非常に魅力的ですが、土地勘のない人が、そんな自然を「独り占め」しようと人気のない場所へ出かけて行くのは、強盗、強姦などの犯罪者に自ら身を晒すようなもの。誰もいないということは、「穴場」ではなく「地元の人も近寄らない危険な場所だ」という意識を持ちましょう。特に日が暮れてからは注意して下さい。

なお、ブラジルで特に治安が悪いのは、セルジッピ州、アラゴアス州、リオ・グランデ・ド・ノルチ州、パラ州など、比較的経済格差が大きい北東及び北部だと言われています(出典:Os 10 estados mais violentos do Brasil, segundo o Ipea)。

 

強盗に狙われないために

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グアルーリョス国際空港の空港タクシー


強盗は観光客が最も気をつけなければいけない犯罪の1つです。外務省サイトによると、「一般に都市における強盗被害に遭う確率は米国と比較すると約10倍、あるいはそれ以上」だとか。また、在リオデジャネイロ日本国総領事館「安全の手引き」によると、五輪が開催されたリオ市の人口10万人あたりの強盗発生率は、約 1,584 件で、日本と比べて約 830 倍。これは、1年間に市民 の約 63 人に1人が強盗の被害に遭っている計算になるそうです(2017年)。

旅行者の行動範囲中で最も狙われやすいスポットは、空港タクシーの降車先、両替所や銀行のATMを出たところ、観光地からちょっと離れた路地など。

2017年1月には、サンパウロ市の日系人が多く集まるリベルダージ区で、大手旅行代理店で両替を行った邦人を狙う銃器使用強盗事件が連続して発生しました。これまでに9件の被害があり、亡くなった被害者も出ています。いずれも、被害者の行動を把握しているようで、徒歩での移動中のみでなく、車輌での移動中にも、乗降の際などを狙ってバイクで接近、銃器を使って脅し、バイクで逃走しました。(参考:外務省 海外安全ホームページ「サンパウロ(ブラジル):邦人連続強盗事件発生に伴う注意喚起(新規)」)現在、この手口での被害は収まっているようですが、現金を持つときは、十分な注意が必要です。
 
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グアルーリョス国際空港のタクシーサービス。予め目的地までの支払いを済ませる仕組み。


空港からのタクシーやレンタルカーは、空港で標的を探す強盗犯に目的地まで後をつけられるケースも珍しくありません。降車する場所は、道路ではなく、ホテルのセキュリティがあるコンコース内やアパートの鉄扉のあるガレージ内にして下さい。

また、運転するならば、深夜は避けて。高速道路も日本の様に外灯や標識が整備されていないので、道に迷って危ないエリアに入り込んでしまうことも。日中は賑やかな高級住宅街やオフィス街も、夜間は真っ暗になり、危険です。地元の人が夜運転する際は、赤信号でも強盗を警戒し、止まらないほどです。

両替所やATMは、ショッピングセンターやスーパーなど建物内のものを利用するようにして。ただし、空港のATMでは、近年カードスキミングが多発しているそうなので、避けたほうが無難です。
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サルバドールの旧市街地。日が暮れてからの一人歩きは十分に気をつけて

また、観光地が賑やかだからと言って、言葉も地理も分からない場合は、フラフラと歩かない方が無難です。スマホで地図をチェックしていると、そのスマホが狙われますよ!

万が一強盗に合ってしまったら、抵抗したり逃げたりせず、相手が要求しているものを差し出して下さい。例え相手が少年でも、おそらく用いられる拳銃は本物で、脅しだけでは済みません……。

 

置き引き、ひったくりに注意!

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サルバドールに完成したセキュリティのしっかりしたメトロ。


最も多い邦人の被害ケースは、置き引きやひったくり。残念ながら、バッグで席を取るなど、もってのほかです。荷物は肌身離さないようにしましょう。

また、車を雇って観光する場合、運転手さんが車に残っているからといって、貴重品を後部座席の上など、外から見える場所に残して出かけるのは止めましょう。持ち運びたくない荷物がある場合は、運転手さんに相談した上で、トランクに入れるか、座席の足下に置くなどして下さい。できれば、窓に防犯用フィルムの貼られた外から車内が見えない車を利用しましょう。

高価な腕時計やアクセサリーを付けて歩くのも危険です。貴金属は、パーティー会場や高級レストランなど、安全な場所に着いてから身につけるようにして下さい。
 

フーリガン、デモなど

サッカー王国と言われるだけあり、ブラジルのサポーターは非常に熱心。人気チーム同士の対決時には、混乱が生じることもあります。試合を見に行く場合は、チームカラーを考えるなど、下手に周りを刺激しないようにしましょう。また、サッカーに限ったことではありませんが、大勢が集まる場所には、混乱に乗じる手癖の悪い輩が混ざっているのが常。試合観戦時も、携帯電話、財布、カメラなどを掏られないよう注意して。パンツのポケットはダメですよ!

また、ワールドカップ開催前、五輪前には、デモ隊と軍警察がぶつかる事件が頻発し、世界的なニュースにもなりました。また、年始にボウソナロ政権が発足したばかりですが、政府への不満から、デモやストライキは起こります。デモの開催場所や時間は、事前に発表されますので、興味本位で近づかないようにしましょう。
 

国民はフレンドリーで親日家

これまで、だいぶ脅すようなことを書いてきましたが、ブラジル人の大半は、人懐っこく、また勤勉な日系移住者のお陰で日本人に好感をもっています。人を見たら犯罪者だと思え、という国では決してありません。不注意や過信から、危ない目に合ってしまうのは、とても残念なことです。君子危うきに近寄らず。十分気をつけて、楽しい旅行にして下さいね。
 

緊急時に役立つ連絡先

警察(Policia Civil):197
救急車:192
消防:193

■在ブラジル日本国大使館
住所:SES Avenida das Nacoes Q811, Lote 39, 70425-900, Brasilia, D. Federal
電話:(市外局番61)3442-4200

■在サンパウロ日本国総領事館
住所:Avenida Paulista 854, 3-andar, 01310-913, Sao Paulo, SP
電話:(市外局番11)3254-0100

■在リオデジャネイロ日本国総領事館
住所:Praia do Flamengo, 200-10 andar, 22209-901, Rio de Janeiro, RJ
電話:(市外局番21)3461-9595

※ブラジル国内の他州からの通話は,市外局番の前に「021」(国内長距離通話コード)をつけてください。また、同一州内からの通話については市外局番をつける必要はありません。その他大使館情報は、外務省海外安全ホームページをご参照下さい。
 

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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。