ブラジルの治安は、「十分注意して下さい」レベル

copacabana

世界的に有名なコパカバーナビーチ

残念ながらあまりいいイメージを抱かれていないブラジルの治安……。外務省が、渡航に注意が必要と思われる国や地域に発出している「危険情報」にも、2017年3月現在、危険度レベル1の「十分注意して下さい」に指定されています。危険情報4段階のなかでは、一番危険度の低いレベルではありますが、「当該国(地域)への渡航、滞在に当たって特別な注意が必要であることを示し、危険を避けて頂くよう、おすすめするもの」。つまり、日本と同じ感覚でブラジルへ出かけてはいけませんよ、と言うこと。

銃器を使った凶悪犯罪は、日本ではあまり意識しない貧困、麻薬などに起因するケースが大半。「2016年版 10º Anuário Brasileiro de Segurança Pública」によると、2015年には、ブラジル国内で9分に1人が殺されている計算になるとか。これらに観光客が巻き込まれる可能性も否定はできません。犯罪に対する「ブラジルの常識」を予め学んでおきましょう。

なお、2015年後半からジカウイルス感染症(ジカ熱)の流行から、妊婦及び妊娠予定の方は特に注意するようにとの警告がでていました。2017年3月現在は警告が解除されていますが、旅行前には情報収集に努めてください。
また、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカは黄熱病の媒介もします。渡航者は、黄熱の予防接種を受けることをおすすめします。

無謀な冒険をしないこと

favela in Sao Paulo

サンパウロのファベーラ

危険を避ける基本は、「危ない」と言われているエリアに近づかないこと! どの街にも存在するファベーラ(貧民街)と呼ばれる地区は、そのエリア毎の常識で機能しています。ギャング同士や警察との抗争、麻薬や銃器の密売などが行われている場所もあります。興味本位で立ち入らないようにして下さい。どうしてもファベーラ体験をしたい人は、専門ツアーもありますので、エリアに精通している、信頼できる人に案内してもらいましょう。

また、街は危なくて、自然/田舎が安全だとも限りません。美しいビーチや雄大な自然は非常に魅力的ですが、土地勘のない人が、そんな自然を「独り占め」しようと人気のない場所へ出かけて行くのは、強盗、強姦などの犯罪者に自ら身を晒すようなもの。誰もいないということは、「穴場」ではなく「地元の人も近寄らない危険な場所だ」という意識を持ちましょう。特に日が暮れてからは注意して下さい。

なお、ブラジルで特に治安が悪いのは、アラゴアス州、セアラー州、リオ・グランデ・ド・ノルチ州、セルジッピ州など、比較的経済格差が大きい北東及び北部だと言われています(出典:Exame.com "Os estados mais e menos perigosos do Brasil")。


強盗に狙われないために

taxi

サンパウロ国際空港のタクシー

強盗は観光客が最も気をつけなければいけない犯罪の1つです。外務省サイトによると、「一般に都市における強盗被害に遭う確率は米国と比較すると約10倍、あるいはそれ以上」だとか。また、在リオデジャネイロ日本国総領事館サイトによると、五輪が開催されるリオ市の人口10万人あたりの強盗発生率は、日本の510.7倍だそうです(2014年)。
旅行者の行動範囲中で最も狙われやすいスポットは、空港タクシーの降車先、両替所や銀行のATMを出たところ、観光地からちょっと離れた路地など。

2017年1月から、サンパウロ市の日系人が多く集まるリベルダージ区で、大手旅行代理店で両替を行った邦人を狙う銃器使用強盗事件が連続して発生しています。これまでに9件の被害があり、亡くなった被害者も出ています。いずれも、被害者の行動を把握しているようで、徒歩での移動中のみでなく、車輌での移動中にも、乗降の際などを狙ってバイクで接近、銃器を使って脅し、バイクで逃走しています。(参考:外務省 海外安全ホームページ「サンパウロ(ブラジル):邦人連続強盗事件発生に伴う注意喚起(新規)」)

空港からのタクシーやレンタルカーは、空港で標的を探す強盗犯に目的地まで後をつけられるケースも珍しくありません。降車する場所は、道路ではなく、ホテルのセキュリティがあるコンコース内やアパートの鉄扉のあるガレージ内にして下さい。

また、運転するならば、深夜は避けて。高速道路も日本の様に外灯や標識が整備されていないので、道に迷って危ないエリアに入り込んでしまうことも。日中は賑やかな高級住宅街やオフィス街も、夜間は真っ暗になり、危険です。地元の人が夜運転する際は、赤信号でも強盗を警戒し、止まらないほどです。

両替所やATMは、ショッピングセンターやスーパー、空港内など建物内のものを利用するようにして。また、観光地が賑やかだからと言って、言葉も地理も分からない場合は、フラフラと歩かない方が無難です。スマホで地図をチェックしていると、そのスマホが狙われますよ!

万が一強盗に合ってしまったら、抵抗したり逃げたりせず、相手が要求しているものを差し出して下さい。例え相手が少年でも、おそらく用いられる拳銃は本物で、脅しだけでは済みません……。