これは、キッチン空間がオープンになり、キッチン本体がインテリアの一部として考えられるようになったということです。こう考えると、キッチン選びも楽しいですよね。
そんな考え方を端的に示してくれるショールームが名古屋に誕生しました。
それがトーヨーキッチンスタイルの「天空のショールーム「TOYO KITCHEN STYLE THE HOUSE」」です。早速、訪ねてきました。
「天空のショールーム」をテーマにリニューアル
トーヨーキッチンスタイルは、名古屋本社のショールームを夢のような空間に増築リニューアル。ガラスの箱を積んだような外観は、すでに地元のランドマークになりつつあります。展示面積は800坪。インテリアデザイナーで「ザ・ペニンシュラ東京」など数々の商業施設を手がける橋本夕紀夫さんが、「天空のショールーム」をテーマに設計しています。同社のキッチンの大半は、空間の中央に、家具のようにぽんと置くだけで絵になるスタイル。複雑なプランは必要ありません。
洋服を選ぶようにキッチンを選び、帽子のように照明を、バッグのように椅子やソファを、靴のように床材を選ぶ……。キッチンまわりは、そんな「ファッションコーディネート」の考え方で選んでいけるのです。
2階には、ライフスタイルのすべてのものが揃うということで、オリジナルや輸入のバスタブや洗面が。浮遊感ある空間の視覚効果は、想像以上です。
オランダの家具からイタリアのタイルまで
3階はアジアでは初めての専門フロアとなるオランダのインテリアブランド、モーイ社の家具エリアがあります。オランダで提案するブランドプレゼンテーションを活かし、モーイの家具の持つ空気感を見せています。こういった強い個性のデザイン家具って、ひとつひとつ見ると、ちょっと不思議なデザインですが、統一した空間の中で見ると、しっくりおさまっています。
そして4階は、トーヨーキッチンスタイルで、とくに売り上げが伸びているというモザイクタイル。イタリアで高品質なベネツィアンモザイクを生産するシチス社のタイルをはじめ、大判のパネルで見られるのがポイント。小さいサンプルで見てもわかりにくいのがタイルですから、空間イメージがつかみやすい展示になっています。
特に見どころは、江戸時代に活躍した絵師で「奇想の画家」と呼ばれている伊藤若沖の作品を復元したエリア。筆の流れまでを再現したモザイクタイルの表現力を存分に見せます。
こういった家具を組み合わせて映えるのが、トーヨーキッチンスタイルのキッチンとも言えます。とにかく個性的な空間がほしければ、トーヨーキッチンスタイルは要チェックでしょう。
シークレットガーデンや秘密のバーも?
そして実はこのショールーム、とってもシークレットな空間があります。下の写真は、一見してはわからない秘密のドア。この先には、こんな夢のようなお部屋が……!ワインセラーを備えた天空のバーです。実はここ、特別なお客様だけがご案内されるという場所。ここに通される人のキッチンは一体どんな風に仕上がるのか、想像してしまいますね。
さらにトーヨーキッチンスタイルでは、屋外空間もライフスタイルの一部と考えているそうで、屋上にはガーデンテラスの提案もあります。
実をつけたり、香りのある草木を植えたり、オリジナルの電飾を施したりしたアーティフィシャルツリーが夜景の中で輝きます。もちろんすべて購入可能。
とてもゴージャスなショールームですが、決して敷居は高くありません。もちろん誰でも入れます。気になった人は、名古屋を訪れることがあったら、一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
■ショールーム情報
TOYO KITCHEN STYLE THE HOUSE
〒465-8670 名古屋市名東区一社2-21
TEL:052-709-1040
営業時間:10:00~18:00
休館日:水曜日(祝日の場合は木曜日)/夏期/年末年始
(取材・文 本間美紀)