「これさえ食べればOK」マークではない

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手軽に利用できるスーパーの惣菜にも、マークつきの商品が並ぶかもしれません。

時間に終われる現代人の中には、なかなか自炊が難しい人もいます。また高齢者の中にも食事をつくる意欲が低下し、低栄養などに陥ってしまう方が出てくることも懸念されます。

こうした背景があって、手軽に消費者が料理を購入する場として、コンビニやスーパーの弁当や惣菜に対して「健康な食事」マークが導入されることになったのだと思います。

気をつけたいことは、このマークが意味することをきちんと理解して活用するということです。前の注意事項にあるように、必要な栄養素やエネルギー等は個人差がありますし、このマークがついているからといって同じ料理ばかり食べていては栄養が偏ってしまいます。

決して「この弁当さえ食べれば健康になる」という意味のマークではなく、あくまでも多様な食材を食べて栄養バランスを計るため、「バランスがとれた弁当はこんな商品」というサンプルです。消費者が日常的に活用することで、バランスのとれた食事を選択できる判断力を培うためのツールだと思います。

マークの意味の理解やチェック体制も必要あり

今の段階でも、いろいろと課題があることは想像できます。まずこの制度の特徴は、認証マークを商品につける上で、行政機関の審査はなく、基準を満たせば製造業者やスーパー、直売所などの販売店が自己判断で自主表示できることです。

マークの留意事項の中には、「事業者は、マークの適切な普及のために、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べることなど、マークの意味することについて、消費者に適切に情報提供できる体制を確保すること」とあります。

ただでさえ限られた売り場で、どの程度の情報提供ができるのか疑問です。セミナーなどをして感じることですが、多くの消費者は、食品の表示の意味をきちんと理解するというよりも、イメージで判断しがちです。もう少し行政として、「マーク」の意味する内容について広報する必要があるのではないでしょうか。

また国は、マークの普及状況をモニタリングする観点から、事業者のマークの使用状況について、国に報告する仕組みを作るとしています。日本の事業者の多くは法令規制を遵守していると思いますが、中には表示について誇大表示、違法表示をしている所も見受けられます。行政は表示を作りっぱなしにするのではなく、きちんとしたチェック体制も必要だと思います。

「食事バランスガイド」と比べると、具体的に1食分を示し、また不足するものは何かを色で示しているので、例えば、ダイエットや健康情報に敏感な若い女性や、年配者にはこうした情報も伝わりやすいもので、店頭でもうまく活用できるかもしれません。

しかし、忙しくて自炊する時間もないような若い世代、また体力を使う仕事に携わる男性などが多く立ち寄るお店では、自然と唐揚げ弁当のような主菜中心の弁当が好まれるため、お店もニーズに答えた品揃えになりがちです。

選択する際の情報が増えるのは悪いことではありませんが、きちんと伝わるのかどうかが懸念されます。また健康に関心が向かない(本来はこういう人たちに伝えたい)人には、どうしたら響くのかを考えることも必要な気がします。


■参考
「健康な食事」の基準と、その普及のためのマークの策定(厚生労働省)


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