新型コンパクトSUV「CX-3」は最近のマツダで一際スタイリッシュ
CX-3は最近カッコ良いクルマをズラリと揃えるマツダの中でも、一際スタイリッシュ。少しずつ熟成させてきたのだろう。躍動的かつ見飽きない。日本のクルマでこんなデザインが出来たことに驚く。グリルからヘッドライトの繋がりや、ルーフラインとリアドアのバランスなど素晴らしいと思う。
搭載されるエンジンは1.5リッター105馬力のディーゼルターボのみ。言うまでもなく最近のクリーンディーゼルはアイドリングでこそ若干のディーゼル音を出すが(アイドリングストップ付きなので実際は気にならない)、走り出してしまえば普通のガソリンエンジンより上質かつ滑らか。
昔のディーゼルエンジンをイメージしたら、腰が抜けるほど快適だ。排気ガスもクリーンで、そもそも排気管の内側を見たってススなんか付いていない。暖気が終わるまで多少甘酢っぱい臭いを出す程度。暖気が終われば無臭だし、黒い煙はどんなに乱暴な運転したって出ないです。
気になる燃料コストだけれど、ハイブリッドのホンダ・ヴェゼルと同等だと考えればいい。これまでもマツダのディーゼルエンジンは同じクラスのハイブリッド車と同等の燃料コスト。実用燃費だと街中15km/Lの高速巡航20km/Lくらいをイメージすれば間違いない。燃料もガソリンより安い軽油だ。
CX-3の課題は価格設定「このクラスのSUVとしては安くない!」
動力性能はどうか? 最大トルク27.5kgmと2.8リッター級ガソリンに匹敵するくらい大きい反面、最高出力を見ると1.3リッターガソリンと同等の105馬力。一方、車重が4WDで1330kg。乗ると「街中で普通に走っていればパワフルに感じるものの、登り坂や高速道路の追い越し加速で物足りない」。
もし試乗して動力性能に不満を感じたなら2.2リッター175馬力ディーゼル搭載のCX-5も試してみてほしい。装備内容や値引きなど総合して評価したら、大雑把に言って25万円差程度。だったら広い室内と豪華な走りのCX-5が良い、という人も少なくないと考えます。
ちなみに室内の広さを重視する場合、前述のヴェゼルも大いに魅力的。CX-3のリアシートは成人男性だと窮屈ながら、ヴェゼルならユッタリ座れる。デザインからすれば圧倒的にCX-3ですけど……。そんなこんなで、ライバルはヴェゼルと身内のCX-5だと思う。
もう一つ。CX-3の課題は価格設定。最近のマツダの傾向なのだけれど、けっこう高い上、値引きをしてくれない。CX-3の中間グレード『XD』の4WDを選ぶと、それだけで281万8800円。ナビ機能を加え、諸費用入れたら330万円くらいになってしまう。このクラスのSUVとしちゃ安くないです。
マツダ自身、輸入車を購入していた人達がターゲットだと言っている。確かに輸入車と比べれば、まだまだリーズナブル。CX-3の販売がずっと好調なら、マツダの変革はマツダの狙い通りになったということ。将来的に余裕が出来たら、誰にでも買えるお手頃で魅力的なモデルも作ってほしいと思う。
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