痛み・疼痛

足がしびれる原因を探る3つのポイント

足がしびれる場合、その原因は足にある末梢神経か腰にあることが多いです。末梢神経が原因である場合、画像検査をしても原因を特定できないことが多く、症状から疑う必要があります。今回は、そんな中でもしびれの原因を探るための3つのポイントを紹介します。

金 景成

執筆者:金 景成

脳神経外科医 / 痛み・しびれガイド

1. 足の甲と足の裏のどちらがしびれますか?

しびれは足の甲と足の裏のどちらにありますか?しびれの原因を探る有益な情報になるので、分かることは担当医に伝えましょう

しびれは足の甲と足の裏のどちらにありますか?しびれの原因を探る有益な情報になるので、ぜひ担当医に伝えましょう


足の甲と足の裏は、腰の神経、末梢神経ともに別の神経が支配しています。そのため、しびれがどちらにあるのかを知ることは、どの神経が傷んでいるのかをおおまかに知るのに大いに役立ちます。両方がしびれている場合は、複数の神経が傷んでいることがありますが、根気よく聞きだすと、意外とどちらかだけがしびれていることも少なくありません。

足の裏がしびれていても、踵がしびれていない場合には、足根管症候群の可能性があり、大変有用な情報です。

2. 膝から足首までの間(下腿)は、内側・外側・裏側のどちらがしびれますか?

膝から足首までは、外側・内側・ふくらはぎ側と、3つに分けて考えます。3つのうち、どちらがしびれているでしょうか?

膝から足首までは、外側・内側・ふくらはぎ側と、3つに分けて考えます。3つのうち、どちらがしびれているかを把握しましょう。


膝から足首までは、外側・内側・ふくらはぎ側と、3つに分けて考えます。一般的には、外側から足の甲、ふくらはぎ側から足の裏へ神経がつながっていますので、しびれの広がり方をみて、傷んでいる神経を予想します。

下腿外側から足の甲がしびれる場合、腓骨神経障害の可能性があります。

3. しびれは膝より上にもありますか?

しびれが殿部(おしりの部分)や大腿部にもある場合、腰の神経の傷みが原因である可能性が高くなります

しびれが殿部(おしりの部分)や大腿部にもある場合、腰の神経の傷みが原因である可能性が高くなります


しびれが殿部(おしりの部分)や大腿部にもある場合、腰が原因である可能性が高くなります。

腰で最も障害されやすい第5腰神経障害の場合、大腿外側から下腿外側へしびれが起こります。

また比較的障害されやすい第1仙椎神経障害の場合、大腿の裏側からふくらはぎにかけてしびれが起こりますが、時に梨状筋症候群でも同様のしびれが起こることもあります。

しびれを動きで誘いだせる?

神経は体の動きによって、負荷がかかります。例えば、胸を張るように腰を反って長く立ったり歩いたりすると、腰での神経へ圧迫が強くなり、足のしびれや痛みが強くなります。ただし手の場合と違って、立位や歩行では足の他の部分にも負荷がかかるため、腰以外で神経が傷んでいる部分以外が原因となっているしびれが出てしまうことがあり、なかなか思い通りにはいきません。

一方、梨状筋はおしりの筋肉の一部であるため、硬い椅子に座るだけでも神経への負担が増します。そのため、梨状筋症候群によるしびれの場合には座っているだけでしびれが強くなることがあり、大切な情報です。

やはり、しびれる場所が大切です

腰に異常がある場合、それが足のしびれの原因と考えることが多いです。しかし、その異常が偶然見つかった単なる加齢性変化なのか、しびれの原因となっている異常なのかは、やはりしびれる場所などの症状から判断することになります。

そのため、しびれる場所を正確に医師へ伝えていただければ、診断への近道になると思います。 また、歩行や立位による症状の変化についても診断の助けになりますので、しびれた場合には気にかけてみてください。

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